2022 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical development of biocompatible and shape-memorable magnesium alloys
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22F21355
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Host Researcher |
尾方 成信 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (20273584)
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Foreign Research Fellow |
VERMA AKARSH 大阪大学, 基礎工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 分子動力学解析 / 合金 / 粒界 |
Outline of Annual Research Achievements |
分子動力学解析を用いて、マグネシウム、ニッケル、マグネシウム金属およびそれをベースとする合金中の粒界について、応力下における粒界の運動や、塑性変形に対する役割を明らかにした。その中で特に、ニッケル中のファセットを有する双晶境界は、温度上昇に伴って、運動が遅くなる特異な非アレニウス挙動を示すことを発見し、その物理的背景を考察するとともに、現象を首尾良く表現する物理モデルを構築して、それらをまとめて論文を執筆し投稿準備を整えた。また、この非アレニウス挙動が合金元素添加によってどのように影響を受けるかを詳細に解析した。具体的には銅元素を添加した。添加元素濃度を増加させていくと、非アレニウス挙動から、スティックスリップ的なアレニウス挙動へと遷移していくことが判明した。これについても、その原因の詳細を原子レベルから明らかにし、それらをまとめて、論文を執筆し投稿準備を整えた。最後に、今後の研究方針を決定するために、マグネシウム合金の医療応用に向けたポリマーコーティングに関して、これまでに発表されている研究成果をレビューして、それをまとめたレビュー論文を執筆し、投稿準備を整えた。さらには、粒界を有するアルミニウムーマグネシウム合金の変形を分子動力学法を用いて解析した。その結果、粒界ではなく、結晶粒内の固溶元素から転位が生成することがわかった。なお、特別研究員はこれらの成果の主に分子動力学解析やデーターの解析を行い、受入研究者はその理論的な背景を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合金中の双晶境界の興味深い特性を発見し、その面では当初予期していなかった結果を多く得て、論文を執筆を投稿準備を整えることができた。その一方で、当初予定した、生体適合性や形状記憶効果については、これまでに出版された研究論文のレビューを行い、問題設定をした段階にとどまっており、遅れている。これらを総合的に判断して、やや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
双晶境界について当初予期しなかった面白い結果が出ているので、これをさらに推進し、深めて行く。
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