2023 Fiscal Year Annual Research Report
レーザープロセスによるオールセルロース電子・流体デバイスの創出
Project/Area Number |
22KF0242
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古賀 大尚 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30634539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU LUTING 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | TEMPO酸化セルロース / アルミニウムイオン架橋 / 異方性マイクロ流路構造 / 湿気発電 / CO2レーザー炭化 / 環境発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
SDGsへの意識の高まりから、持続生産可能なデバイス開発の重要性が増している。そこで本研究では、地球上で最も豊富かつ持続生産可能な木質バイオマス資源であるセルロースベースのデバイス開発に取り組む。すなわち、研究代表者が有する「セルロース基材へのCO2レーザー照射による炭化および電気特性制御技術」と研究分担者が有する「セルロース基材へのマイクロ流路設計技術」を組み合わせることにより、オールセルロースベースの持続性電子・流体デバイスの創出を目指す。 2022年度は、異方性マイクロ流路構造を持つアルミニウムイオン架橋型TEMPO酸化セルロース基材を調製し、高効率で繰り返し利用可能な湿気発電デバイス素子を作製することに成功した。最終年度となる2023年度は、本湿気発電デバイス素子についてさらなるキャラクタリゼーションを行い、アルミニウムイオン架橋処理によって吸湿性と湿気発電性能が大きく向上することを確認した。また、周辺湿度と発電性能の相関を検証し、比較的低湿度(40%RH)から発電可能であることを確認した。さらに、CO2レーザー炭化技術による木材やセルロース基材への電極形成、および、湿気発電やバイオセンシング応用も行った。得られた研究成果については、国際学会での発表を2件(いずれもポスター発表)行った。また現在、論文原稿を執筆しており、近日中に投稿予定である。 研究期間全体を通じ、大目標であるセルロースベース持続性電子・流体デバイスのプロトタイプとなる湿気発電デバイス素子の作製に成功し、動作機構の検証、および、発電の湿度依存性や繰り返し使用可能性など詳細な機能評価も行うことができた。持続生産可能な環境発電デバイス素子やセンシングデバイス素子の創出に向けた基盤技術を構築でき、重要な知見も得られたことから、今後さらなる発展が期待できる。
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Research Products
(4 results)