2022 Fiscal Year Annual Research Report
陸上植物の性分化を支配する遺伝子制御ネットワークの進化
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21F21083
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80273853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU YEN-TING 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-09-28 – 2024-03-31
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Keywords | ゼニゴケ / 生殖細胞 / 有性生殖 / 転写因子 / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼニゴケにおいて、常染色体上のMpFGMYB遺伝子が雌性分化を促進する。MpFGMYB遺伝子座にはアンチセンス非コードRNA遺伝子SUFが存在し、雄個体ではSUFが発現することでMpFGMYBの発現が抑制され、雄分化が促進される。MpFGMYBの誘導型過剰発現体を用いたRNA-seq解析から、雌の性染色体上に座乗し卵細胞で強く発現する遺伝子を同定した。この遺伝子を欠損させたゼニゴケ変異体は、卵前駆細胞に異常な分裂が起こり、成熟卵を形成しないことを見出した。この表現型は卵分化の主要な制御因子であるMpRKDを欠く変異体や、MpFGMYBの異所的発現で雌化させた雄個体の表現型と酷似していた。この結果は、当該遺伝子がMpFGMYBの下流で卵分化に機能する必須遺伝子であることを示すものであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FGMYB遺伝子の下流で卵成熟に機能する重要な遺伝子を同定することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
当該遺伝子の機能を明らかにするため、蛍光タンパク質との融合タンパク質を発現する遺伝子コンストラクトを変異体背景に導入し。卵成熟の相補を確認するとともに、蛍光シグナルの局在から当該タンパク質の細胞内局在を明らかにする。本遺伝子の相同遺伝子が蘚類のヒメツリガネゴケゲノムに存在していることから、ヒメツリガネゴケにおいてもこの遺伝子のノックアウト変異株を作成し、雌性分化や卵成熟に異常が生じるかを確認する。
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Research Products
(2 results)