2022 Fiscal Year Annual Research Report
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22F22413
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松本 卓也 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40324793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHINGARADIYA NUTANBEN 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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Keywords | 加齢変化 / 骨組織 / 脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
異なる週齢のICRマウスの大腿骨を使用した実験を進めている。今年度は普通餌を与えるコントロール群マウスのマイクロCT像ならびに組織染色像を時系列で獲得した。より具体的には発生初期、異なる日齢、週齢のマウスから大腿骨サンプルを単離し、その発生に伴う骨形態変化、骨量変化、骨特性変化を様々な材料学的、生物学的評価方法をもとに獲得を進めている。これら結果から、骨サイズ変化、石灰化領域、体積の変化、骨髄腔の形態、骨髄腔のサイズ変化、海綿骨の分布、形態変化、破骨細胞、骨芽細胞の位置、分布を元にしたリモデリング状態など基本データの蓄積を進めている。さらに反射電子を用いた骨髄腔形成過程の微小領域変化についても詳細な検討を行うことが可能となった。具体的な例としては、例えば、二次骨化領域における石灰化形成と血管侵入、さらにはそれに続く石灰化物の破壊に関して、時間空間的過程変化を高い解像度での検討を進めた。その結果、この領域において、一度形成された石灰化物が破骨細胞により脱灰されること、脱灰された後の基質の残存が明らかとなり、さらにはこれら基質が酵素分解により微小化、断片化する過程が明らかとなった。つまり、この過程は海綿骨内における血管腔の拡大のメカニズム理解につながる。また、成長板近傍では、一度形成された海綿骨が脱灰的分解のみでなく、異なる力学刺激により分解が誘導されることが示唆されており、今後、検討を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は分担者の来日時期が11月と遅く、実際の実験期間はおよそ3ヶ月強と短かった。しかしこの期間内で、精力的に研究を進め大きな進捗を得ている。具体的には、発生初期5日目から21日目までに至るマウス大腿骨のμCTデータの取得、同時期におけるヘマトキシリン/エオジン染色像の取得である。また、同大腿骨に関して、レジン包埋とそのサンプルを用いた脱灰、非脱灰の反射電子顕微鏡像の取得を段階的に進めている。これら大腿骨サンプルは健常状態でのマウス大腿骨データであり、今後の加齢マウスから得られるサンプルとの比較対象として重要なデータである。また、データ解析を進めるにあたり、二次骨化過程の理解や、成長板近辺における海綿骨形成と破壊に関する定性、定量的理解が得られており、進捗は順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
異なる日齢、週齢のICRマウスの大腿骨を使用した実験を進めている。今年度は普通餌を与えるコントロール群マウスのマイクロCT像ならびに組織染色像を時系列で獲得した。次年度は同様の時系列で高脂肪食を与えたマウスについて、マイクロCT像ならびに組織染色像を獲得し、画像解析を中心にコントロール群との比較を進める。ここでの画像解析としては、二次元ならびに三次元での脂肪量の変化と脂肪組織分布の変化を主として検討する。これにより、脂肪組織との親和性が高い部位の同定を進める。さらに、この脂肪組織との親和性が高い部位を中心に、電子顕微鏡での観察ならびに免疫組織学的検討を進め、骨内側の基質、微小形態変化について理解を深める。
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