2022 Fiscal Year Annual Research Report
Study on food factors preventing dementia pathogenesis
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21F21386
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (20238942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG LIHONG 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / 神経細胞 / 食品因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知改善に働く食品成分を究明し、その発現機構を明示するため、神経細胞を用いた評価系の構築を行った。本年度は、この達成のために、マウス神経幹細胞NE-4C(passage 6 ~ 7)を用いて、分化誘導因子としてレチノイン酸刺激を4日間実施し、神経細胞へと分化させた神経細胞を種々の実験に供した。本細胞での抗認知作用を示す生理活性ペプチドTyr-Proのアセチルコリン系亢進作用とその作用機構を明らかにするためには、本系の中心となるアセチルコリン量を定量的に評価する必要がある。そこで、LC-TOF/MS分析法による直接的なアセチルコリン量測定系の構築を図った。誘導化することなく低分子かつ高極性のアセチルコリン(146.1176 m/z)をイオン化検出するため、ミックスイオンモードのLCカラムであるImtakt Scherzo SS-C18が最適であることを突き止め、さらにアセトニトリル系溶離液へのイオン対試薬であるギ酸アンモニウム(50 mM)添加が有効であること、内標準としてアセチルコリン-d4(150.1523 m/z)を用いた定量分析が最良であるとの結果を得た。本MS分析系の確立によって、溶液中のアセチルコリン量を1 nM濃度以上で定量可能となった。そこで、20 microMのTyr-ProをNE-4C細胞に添加し、48時間培養後の細胞破砕液を用いて定量分析を行った結果(タンパク質料で補正)、1.5倍のアセチルコリン産生量の有意な増大(P < 0.01)が認められた。以上の結果、当該ペプチドは神経細胞でのアセチルコリン系の賦活に直接的に関わっていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心となるアセチルコリン系を評価可能なアセチルコリンアッセイ系を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー病改善ペプチドの作用機作について、分化誘導したNE-4C細胞を用いて、アセチルコリン量を指標として解明する。アセチルコリン賦活に関わるシグナル系を明らかにした後、認知症予防作用に関わるTyr-Proの作用機構を明らかにする。
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Research Products
(1 results)