2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Highly Efficient Solid-State Photon Upconversion System with Plasmonic Nano-Interface Research Project
Project/Area Number |
22KF0294
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤川 茂紀 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (60333332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAN JIANLEI 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 光アップコンバージョン / 分子集合体 / ペリレン誘導体 / ナノギャップ / プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
光照射によって、近接する貴金属ナノ構造体間のナノメートルオーダーの隙間(ナノギャップ)に生じる、増強電磁場(ホットスポット)では、導入された色素分子の吸収・発光を大幅に増幅可能となることが知られており、太陽電池をはじめとする様々な光デバイスへの応用が期待されている。このためには,このホットスポットを生じる光波長と分子の光吸収波長(あるいは発光波長)をできるだけ多く重畳させる必要がある。さらに、本研究で狙う光アップコンバージョン(UC)では、照射して形成される色素分子の三重項エネルギーマイグレーションを促進させる必要があり、狭小な空間で分子を自発組織化する必要があるが、これを解決する方法論は存在しない。本研究は,この問題を解決するために,分子組織化を利用してナノ空間内に色素分子を配置するという独自のアイデアに基づき,UCが期待されるペリレンジイミド誘導体を新規に合成した。その結果、この色素分子はホットバンド吸収型光アップコンバージョンというユニークなアップコンバージョン特性を示し、分子設計の有効性が確認された。また興味深いことに、この分子集合体は、超分子重合特性や円偏光蛍光発光(CPL)特性を示すことが明らかとなった。ホットスポット内でのUC特性については、研究期間の制約から、評価測定には至っていないが、それについては今後共同研究として継続予定である。以上、本成果は,超分子重合性を示す分子組織体の創製と、ユニークなUC特性や、CPL挙動を示し、当初予定した光アップコンバージョン分野のみならず,分子組織系の関わる三重項光機能化学に大きな波及効果をもつ,特段に優れた研究と判断される。現在,国際誌への投稿を進めている。
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