2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代プロトン伝導性固体酸化物セルを用いたプロピレン製造と二酸化炭素資源化
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22F22353
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 仁丈 九州大学, エネルギー研究教育機構, 教授 (30292246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SHI NAI 九州大学, エネルギー研究教育機構, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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Keywords | プロトン伝導性膜型反応器 / プロパン脱水素化反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、プロパンの脱水素化反応と二酸化炭素還元反応を同時に起こす、プロトン伝導性電解質を用いた膜型反応器を評価するため、二酸化炭素、水素、アルゴン混合ガスをガス組成を制御できるガス配管を整備した。さらに、カソード支持型の膜型反応器合成プロセスを開発し、整備した装置と合成したセルを用いたプロピレンの脱水素化特性評価に取り組んだ。プロパンの脱水素化反応に比較的高い性能を示すPt/Nb2O5触媒を用いた膜型反応器を評価した結果、300~600℃の温度域において、アノードでプロパンが熱分解し、メタン、エチレン、プロピレンおよび水素を生じることが分かった。また、電流掃引によりカソードへプロトンをポンプしたところ、プロパン濃度が減少し、メタン、エチレン、プロピレン濃度が増加した。これは、水素をカソードへポンプすることで、反応駆動力が増加し、プロパン分解反応が促進されたものと考えられる。また、本反応器は100時間安定に動作することを確認でき、アノード反応を安定的に生じる反応器となっていることを確認した。 カソードにで生じるCO2還元触媒の取り組みとして、Ni-電解質サーメット電極にその場赤外吸収分光法を適用し、反応中間体生成を評価した。吸着CO2分子、表面OH基に加えて、CO中間体およびC-H結合に由来するピークが観測され、高温はCO種が低温ではC-H結合が主な中間体であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた透過電子顕微鏡を用いた電極触媒の形態観察を行うまでに至っていないものの、予定していたガス配管整備、カソード支持型セル合成プロセスの開発、膜型反応器特性評価および中間体評価を行うまで進捗させたため、上記評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も昨年度に引き続き、プロピレンの脱水素化特性を評価する。特に、ガス成分の定量および触媒のモルフォロジー観察に注力し、印加電流、ガス生成速度および触媒モルフォロジーの関連性を解明する。また、プロトン電流掃引条件におけるオペランド赤外吸収分光法を適用することで、反応中間体生成熱力学および速度論とプロトン電流の関係性に関する知見を獲得する。
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