2023 Fiscal Year Research-status Report
ミャンマーの異なる生態系から分離した根粒菌とエンドファイトの多様性と相乗効果
Project/Area Number |
22KF0316
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鶴丸 博人 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 助教 (60545226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HTWE AUNG ZAW 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 根粒菌 / ミャンマー / Mung bean |
Outline of Annual Research Achievements |
Mung bean(リョクトウ)を栽培しているミャンマーの6カ所の地域から、土壌を採取した。Sagaing、Mandalay、Nay Pyi Taw、Magwayの3カ所の地域はサバナ気候帯に属し、Bago、Yangonの残り2カ所の地域は熱帯モンスーン気候帯に属する。全ての圃場は、少なくとも5年以上のリョクトウ栽培歴があり、根粒菌資材の接種歴がない。ミャンマーでよく用いられているリョクトウ品種(Yenzin-11)に、土壌懸濁液を接種した。1圃場あたり、9-11個の根粒から細菌を分離し、合計55菌株分離した。分離株をYenzin-11品種に再接種した結果は、全ての分離株が根粒菌であることを示した(全ての分離株が、根粒形成能を有していた)。サバナ気候帯では、Bradyrhizobium yuanmingenseが主要な根粒菌だった。熱帯モンスーン気候帯では、Bradyrhizobium sp. (B. liaoningense or B. diversitatis) と B. centrosematis が主要な根粒菌だった。これらの情報と土壌分析結果を用いて、主成分分析(principal component analysis; PCA)を実施した。PCA結果は、Ensifer属細菌の分布量とpHが、正に相関したこと等を示した。Ensifer terangae MDY-M6と比べて、有意に、根粒数、根粒乾燥重量、アセチレン還元活性、地上部乾燥重量を増加させる微生物資材候補株を複数選抜した。これらの菌株の共接種は、単独で接種した場合に比べて、根粒数、根粒乾燥重量を有意に増加させた。リョクトウ根粒菌の分布解析結果や微生物資材候補の選抜結果は、ミャンマーでの微生物接種資材開発に役立つだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、ミャンマーにおけるリョクトウ、cowpea(ササゲ)、peanut(ラッカセイ)の根粒菌と根粒内生菌(endophytes)に関して、その分布を解析することを目的としている。また、これらの作物に対する有望な微生物資材候補の選抜を行うことを目的としている。研究実績の概要に記載した通り、リョクトウ根粒菌の分布解析と微生物資材候補の選抜は終えた。また、ササゲ、ラッカセイに関しても、これらの実験をほぼ終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
ミャンマーのリョクトウ根粒菌の分布と微生物資材候補の選抜について、論文報告する。ササゲ根粒菌とラッカセイ根粒菌の分布解析実験と微生物資材候補の選抜実験について、結果をまとめる。リョクトウ、ササゲ、ラッカセイの根粒内生菌(endophytes)分布を解析する。ラッカセイから分離した細菌の複数が、再接種実験において、根粒形成能を示さなかった(根粒菌でないことが示された)。こうした細菌は、entophytesとして扱う。
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Causes of Carryover |
国際学会(APMNF 2024)に、発表者のみ(外国人特別研究員のみ)が参加して、受入研究者は参加しなかったため、(物価高にも関わらず)旅費が安くなった。すでに分離済みの有望な微生物資材候補株は、費用がかかるゲノム解析を実施する。翌年度は、根粒内生菌(endopytes)の分離を実施する。微生物資材候補株と同様に、endopytesのゲノム解析も実施する可能性がある。すでに、微生物資材候補株のゲノム解析準備はできていたが、endopytesのゲノム解析とあわせて実施することや、先進ゲノム支援を利用することを検討した結果、次年度使用額が生じた。
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