2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of synchronized spawning mechanism in corals
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22F21381
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高橋 俊一 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 教授 (80620153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN CHE-HUNG 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 同調産卵 / 月光 / 合図 / サンゴ / 産卵日 |
Outline of Annual Research Achievements |
サンゴの一斉産卵が満月の時期に見られることより、これまで月光が産卵の合図となっていることが予想されていた。しかし、最近の我々の研究により、月光が産卵の抑制因子(サプレッサー)として働き、その効果は月光が太陽光と連続している場合でのみ有効で、その間に暗い時間帯(光のギャップ)が存在すると月光の抑制効果は失われ、その4-6日後に産卵することを明らかにした。自然界では、満月の日を境に、月の出時刻が日の入り時刻の前から後へと変化する。そのため、満月の日以降に、光のギャップが出現し、これが産卵の合図となるわけである。しかし、これらは一つのサンゴ種(キクメイシ)でしか確かめられていなかった。そこで本研究の初年度において、先行研究で見いだされた産卵を誘導する合図の効果を複数のサンゴ種で検証した。その結果、ある一つの属に含まれるサンゴ種では、キクメイシと異なる合図で産卵が誘導されることが明らかとなった。また、それ例外の属のサンゴ種では、キクメイシと同じ合図で産卵が誘導されることが明らかとなった。これらの結果により、サンゴ種間で産卵の合図が異なることが初めて明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた実験データをほぼ全て取ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究により、ある一つの属に含まれるサンゴ種では、先行研究で明らかになっている産卵の合図(光のギャップ)とは異なる合図を利用して、産卵日を同調させていることが分かった。しかし、それが何かは分かっていない。次年度では、その真相を明らかにする。
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