2022 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the physiological and pathophysiological roles of the pulmonary neuroendocrine cells
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22F22113
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
江本 憲昭 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (30294218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RYANTO GUSTY 神戸薬科大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 肺神経内分泌細胞 / エンドセリン |
Outline of Annual Research Achievements |
肺神経内分泌細胞(PNEC:Pulmonary neuroendocrine cell)は、外環境の酸素濃度の変化を感知し、生理活性物質の分泌を介して生体の恒常性維持に関与していると考えられている。また、喘息や肺がんなどのヒトの病態への関与も示唆されている。しかし、その生理学的、病態生理学的役割の詳細については未だ不明な点が多い。申請者は外界の酸素濃度の変化によって肺において生理活性物質のエンドセリン-2(ET-2:endothelin-2)が数分間で基礎値の100倍以上の発現亢進を示すという予備的研究成果に基づき「ET-2がPNECの機能発現に重要な分子である」という仮説を構築した。本研究では分子遺伝学的手法とイメージング技術を駆使して、1)酸素環境の変化に伴うPNECのET-2を介した生理機能、2)PNECから分泌されるET-2による呼吸器疾患の発症や進展への関与、について解明することを目的とする。 当該年度は生体におけるET-2のダイナミックな発現調節を可視化することを目的として、遺伝子改変マウスの作出に取り組んだ。具体的には、ET-2の遺伝子座に超高輝度発光タンパクの機能を持つYeNL2.0-CL1-PEST遺伝子をノックインしたマウスをCRISPER/Cas9システムを用いて作出した。マウスは外表上、明らかな発生学的異常を伴わずに出生し、第8週齢までは正常な発育を示している。 本マウスを用いてET-2の発現をリアルタイムで観察することによって、酸素濃度の変化によるET-2の発現変化に伴うPNECの機能のモニタリングが可能となり、最終的には呼吸器疾患モデルを作成・解析することで、病態の発症・進展におけるPNECおよびET-2の役割についての解析が可能となることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画された研究は概ね順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
作出したET-2リポーターマウスを用いて、まずは摘出臓器や初代培養細胞でET-2の発現を確認する。ex vivoでET-2の発現を確認した後に、in vivoで調節呼吸下においてET-2の発現を異なる酸素条件で解析する。 ET-2の発現をリアルタイムで観察可能となった場合、このマウスを用いてエラスターゼを用いた慢性閉塞性肺疾患モデルなどの病態モデルにおけるET-2とPNECの挙動について検討する。 ノックインマウスではレポーターの発現量が低いために検出域値を下回り観察が困難な場合には、人工染色体の一種であるBAC (Bacterial Artificial Chromosome) システムを用いてET-2プロモーター下でナノランタンを過剰発現させるマウスの作出について検討する。 また、酸素環境の変化に伴うPNECの生理機能を解明する目的で、酸素濃度を変化させた環境で飼育したマウスの肺から調製した細胞を用いて、シングルセルRNAシーケンス解析を行う。具体的には、野生型マウスを10%酸素濃度に暴露し、30分後に正常酸素下に移したのち、1分後、5分後、10分後に屠殺し、肺を摘出する。それぞれの組織から細胞を単離し、次世代シーケンサーを用いてシーケンス解析を実施する。酸素濃度の変化に伴うPNECおよび肺構成細胞における遺伝子発現を一細胞レベルで網羅的に解析し、クラスター解析などと組み合わせることにより、PNECの生理機能の解明を試みる。
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