2022 Fiscal Year Annual Research Report
Supramolecular Polycyclic Aromatic Hydrocarbons: Structure and Morphology in Self-Assemblies
Project/Area Number |
22F22771
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
成田 明光 沖縄科学技術大学院大学, 有機・炭素ナノ材料ユニット, 准教授 (30870133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOJANOWSKI NIKLAS 沖縄科学技術大学院大学, 有機・炭素ナノ材料ユニット, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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Keywords | 超分子構造 / 多環芳香族炭化水素 / 自己組織化 / ジアセチレン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度11月に外国人研究員が着任し、速やかに研究体制を整えるとともに実験を開始した。本研究で最初に検討する多環芳香族炭化水素(PAH)として、高い安定性と比較的小さなエネルギーギャップを有するジベンゾ[hi,st]オバレン(DBOV)に着目し、自己組織化による超分子構造の形成と分子間相互作用を利用した物性制御を志向した誘導体の多段階合成を進めた。特に、非対称構造の誘導体の選択的合成に向けて、DBOVの前駆体となるビス(ナフチルフェニル)ジアセチレンにメトキシ基を導入した非対称置換体の合成検討を行なった。以前の合成経路では、単一のナフチルフェニルアセチレン誘導体にGlaserカップリング反応を適用したが、本研究では一方のナフチルフェニルアセチレン誘導体のブロモ化を経てCadiot-Chodkiewiczカップリング反応を適用する条件検討を進めた。ホモカップリング反応が同時に進行して目的化合物が高収率で得られないことが課題となったが、トリ(m-トリル)ホスフィンを配位子として用いることによりヘテロカップリング反応の選択性向上に成功している。一方で、炭素骨格内にヘテロ原子を導入することによる超分子構造や物性の制御を見据え、DBOVのヘテロ構造の合成も進めた。また、新規DBOV誘導体の基板上での自己組織化と分子間相互作用の電子物性等への影響を電界移動型トランジスタ測定により調べるため準備として、化学修飾したSiO2/Si基板上での既知の結晶性DBOV誘導体の成膜条件の検討も開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
異なる官能基を有する複数のナフチルフェニルアセチレン誘導体の合成に成功し、Cadiot-Chodkiewiczカップリング反応の条件検討も進んでいる。DBOVのヘテロ構造の合成においても最初の目的化合物の精製と構造解析を行う段階まで進んでおり、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、非対称構造のDBOV誘導体やヘテロ構造の合成と構造・物性解析を進め、その後自己組織化による超分子構造の形成と物性に関する詳細な検討を行う。一方で、電界移動型トランジスタを作成する研究体制も確立できており、まずは既知のDBOV誘導体を用いて結晶性の高い薄膜が得られ次第デバイス作成と測定を進めていく。
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