2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel denitrification process by methanotrophic archaea in bioelectroche mical system
Project/Area Number |
22KF0377
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
珠坪 一晃 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 副領域長 (80293257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TRAN THAO 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 脱窒 / メタン酸化 / 堆積物生物電気化学システム / 16S rRNA遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、メタン酸化型硝酸塩還元反応を活用した新たな生物学的脱窒プロセスの開発である。先行研究により、堆積物生物電気化学システム(Sediment BioElectrochemical System:SBES) のアノードにおいて本反応を担う嫌気的メタン酸化古細菌の集積化が生じる可能性を示すデータが得られていた。このため、嫌気的メタン酸化古細菌の集積化を新規SBESリアクターで試みるとともに、それを用いた実排水処理プロセスの確立に向けた基礎知見の収集を行った。本研究では、カーボンフェルトとメッシュ構造の支持材で作成した円筒形のアノードを湖沼底泥に挿入した「堆積物層」、アノードと同様の素材で作成したカソードを底泥上部の水中に配置する「水層」の2層で構成されるSBESリアクターを使用した。また処理対象の窒素含有排水は堆積物層下部から上向流で供給した。構築した8基のSBESリアクターは、異なる基質濃度・電気回路条件下で連続運転し、窒素除去性能を評価した。硝酸態窒素 (30 mgN/L) を含有する排水を連続供給したところ、全ての実験条件で運転から10日以内に出力電圧が約+100 mVから0 mV以下まで低下し、低い硝酸態窒素除去率(12~22%)を示した。そこで、これらの問題点を解決するために、排水の間欠供給を実施したところ、底泥の酸化還元電位(0~-116 mV)の低下及び黒色への変色と発電能の回復が確認され、排水間欠供給の有効性が確認された。底泥に含まれる16S rRNA遺伝子のアンプリコンシーケンス解析を実施した結果、SBESリアクターの運転前後で原核生物群集構造の変化が確認された。研究開始当初の目的であった嫌気的メタン酸化古細菌の高度な集積化は確認されなかったが、メチロシスティス属細菌の集積化が確認され、本リアクターにおける窒素除去への寄与を示唆する結果が得られた。
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