2022 Fiscal Year Annual Research Report
茶殻のコンポスト化は地球温暖化緩和策として有効か?
Project/Area Number |
22F20702
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
秋山 博子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, グループ長 (00354001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
INGOLD MARIKO 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 一酸化二窒素 / 土壌 / アンモニア |
Outline of Annual Research Achievements |
農業は温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)の最大の発生源であり、農業からのN2Oの発生削減技術の開発は重要な課題である。畜産排泄物の堆肥化過程ならびに堆肥の施用からもN2Oが発生することが知られている。またペットボトル飲料の普及に伴い、飲料会社においては大量の茶殻が排出されているが、茶殻に含まれるポリフェノールおよびタンニンのため、茶殻のみでの堆肥化が困難であるとされている。このため、堆肥の副資材として茶殻を添加することにより、堆肥化過程ならびに堆肥施用後のN2O発生削減が可能性について検討する。実用化できれば、食品廃棄物の有効利用ならびに温室効果ガス削減技術として有用である可能性がある。 このため、小型堆肥化実験装置(富士平工業株式会社製・かぐやひめ)を用いて2回の堆肥化実験を実施し、鶏糞の堆肥化過程における温室効果ガス発生量およびアンモニアガス発生量に対する茶殻添加の影響について調査をおこなった。堆肥原料は鶏糞、麦わらまたは稲わらおよびペットボトル飲料会社より廃棄された茶殻を用いた。茶殻の添加の有無および茶殻に含まれるポリフェノールの不活性化のため、ポリビニルポリピロリドン(Polyvinylpolypyrrolidone、PVPP)の添加の有無の影響を調査した。 その結果、茶殻添加により堆肥化過程におけるアンモニア発生量が抑えられることが明らかになった。一方、温室効果ガス発生量に対しては茶殻添加による有意な影響はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り堆肥化実験を行い、堆肥化過程における温室効果ガス発生量およびアンモニアガス発生量に対する茶殻添加の影響について明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記堆肥化実験により作製した鶏糞堆肥および鶏糞茶殻堆肥ならびに市販の鶏糞堆肥および鶏糞茶殻堆肥を用いてポット実験を行い、堆肥の土壌施用後の温室効果ガス発生量について調査を行う。土壌は日本の代表的な畑土壌である黒ボク土とする。栽培作物はホウレンソウとし、ホウレンソウ生育に対する各種堆肥の影響についても調査を行う。これにより堆肥の製造過程ならびに土壌施用後の温室効果ガス発生量について、ライフサイクルを通じた全体の発生量を明らかにする。
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