2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of anhydrobiosis in Triops longicaudatus
Project/Area Number |
22F22089
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Host Researcher |
黄川田 隆洋 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (60414900)
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Foreign Research Fellow |
BELOTT CLINTON 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 乾燥耐性 / ゲノム / 培養細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
クマムシ、ネムリユスリカ、線虫、ワムシ、甲殻類などに認められる乾眠は、その分子生理学的メカニズムに不明な点がまだ多くある。乾眠の種特異性と種間共通性の理解は、乾眠現象を分子レベルで体系的に理解する上で、必須である。これまでの研究から、糖などの適合溶質と、天然変性タンパク質が乾眠に重要である事が分かりつつある。本研究は、カブトエビのシストの乾眠に着目することで、ARIDという天然変性タンパク質が乾眠にもたらす分子生理学的貢献度を明らかにする。その情報を取得する基盤技術確立のために、カブトエビのシスト特異的なトランスクリプトーム解析と、乾眠可能なカブトエビ由来培養細胞の樹立を目指す。R4年度は、日本国内に生息するカブトエビを採集し、次世代シーケンサーを用いてゲノム解析を行った。同様に、シストと孵化直後のカブトエビからcDNAライブラリーを作成した。現在、これらのデータを使って乾眠に関連した遺伝子群の同定を進めている。市販のアルテミアの耐久卵を購入し、シストの摩砕物から培養細胞の樹立を試みている。塩濃度を高めた培養液の選定を行い、初代培養には成功した。2ヶ月以上の継代が可能になっていないことから、培養細胞の樹立には至っていない。R5年度は、カブトエビの乾眠関連遺伝子をバイオインフォマティクス解析で同定し、コードする遺伝子の機能を、培養細胞発現系で解析を行う。また、アルテミア耐久卵由来の培養細胞系の確立は、培養条件の多様なパラメータの最適化が必要になるため、培地濃度やアポトーシス阻害剤の添加など、考え得る可能性を考慮した試行錯誤を繰り返す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日本国内に生息するカブトエビを採集し、次世代シーケンサーを用いてゲノム解析を行った。同様に、シストと孵化直後のカブトエビからcDNAライブラリーを作成した。現在、これらのデータを使って乾眠に関連した遺伝子群の同定を進めている。 市販のアルテミアの耐久卵を購入し、シストの摩砕物から培養細胞の樹立を試みている。塩濃度を高めた培養液の選定を行い、初代培養には成功した。2ヶ月以上の継代が可能になっていないことから、培養細胞の樹立には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
カブトエビの乾眠関連遺伝子をバイオインフォマティクス解析で同定し、コードする遺伝子の機能を、培養細胞発現系で解析を行う。また、アルテミア耐久卵由来の培養細胞系の確立は、培養条件の多様なパラメータの最適化が必要になるため、培地濃度やアポトーシス阻害剤の添加など、考え得る可能性を考慮した試行錯誤を繰り返す。
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