2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of immune checkpoint inhibitor based on the multi-ligand effect
Project/Area Number |
21F21368
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Host Researcher |
伊藤 嘉浩 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (40192497)
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Foreign Research Fellow |
KIM EUNHYE 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害剤 / 多価リガンド効果 / 金ナノ粒子 / 高分子化 / デンドリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
低分子化合物の免疫チェックポイント阻害剤をリガンドとして、これを多価化することで、より高い阻害活性をもつ誘導体が開発できるかどうかを検討した。Bristol Meyers Squibb 社(BMS社)からカルボキシル基などの化学修飾が容易な官能基を分子中にもつ低分子阻害剤の選別を行った。BMS-202、BMS-1166、BMS-1327などが候補となった。多価リガンドにするために二つの方法を採用することとした。 一つは、ナノ粒子、デンドリマーへの固定化を立案した。まずは、金ナノ粒子を選び、その表面上への低分子候補阻害剤の固定化のために、直径の異なる粒子、長さの異なるポリエチレングリコールスペーサー(SH-PEG-NH2)で処理した後、低分子阻害剤候補を反応させた。未反応のアミノ基をメトキシ基などで処理し、ニンヒドリン反応およびフルオレセンスイソシアネートなどで固定化された阻害剤濃度(N) を、UV吸収法および蛍光法で定量した。電子顕微鏡での観察、動的光散乱法での測定、およびICP-MS法での測定なども行い、粒子サイズ、サイズ分布(粒度分布)、粒子形状の評価、1粒子当たりの阻害剤固定化数を求め、種類の異なる誘導体を調製することができた。 二つ目は、高分子化阻害剤合成のために、低分子化合物へビニル基あるいはグリシジルエーテル基誘導体の導入を行うことを検討した。重合は親水性モノマーと共重合で行うこととした。ビニル基導入物はアクリルアミド、グリシジル基導入物はエチレンオキシドと共重合することとし、高分子の特性解析の方法、阻害活性を検討する方法について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いくつかの候補となる低分子阻害剤の中で、現時点で最も高い阻害活性が報告されているBMS-1166を基礎とすることとした。 金ナノ粒子への異なるポリエチレングリコールスペーサーを導入することができた。1粒子当たりの阻害剤固定化数を求め、種類の異なる誘導体を調製することができた。さらに、電子顕微鏡での観察、動的光散乱法での測定、およびICP-MS法での測定なども行い、材料の基本解析も行うことができた。 高分子化阻害剤合成のためには、低分子化合物へビニル基あるいはグリシジルエーテル基誘導体の導入を行う実験を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
BMS-1166と、ナノ粒子あるいはデンドリマーとの複合系では、免疫チェックポイント系のPD-1/PD-L1相互作用を検討するためのアッセイ系の検討を行う。従来用いてきたAlphLISAでは、金ナノ粒子系では不可能なことがわかってきたので、新たに表面プラズモン共鳴などの方法を用いた系を確立することで解決を図る。 高分子化阻害剤合成のためには、重合は親水性モノマーと共重合で行う。ビニル基導入物はアクリルアミド、グリシジル基導入物はエチレンオキシドと共重合する予定である。高分子を得た後は、FT-IR, 1H-NMR, 高分解能MS 、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで特性解析を行う。
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