2023 Fiscal Year Annual Research Report
相補的な有機/無機キャリアを備えたサイトカイン徐放性足場材の生体模倣合成
Project/Area Number |
22KF0412
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大矢根 綾子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 総括研究主幹 (50356672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PAL ANIRUDDHA 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム / アパタイト / コーティング / 骨組織再生 / 複合層 / フッ素 / 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF) / 足場材 |
Outline of Annual Research Achievements |
サイトカイン(細胞増殖因子、分化誘導因子など)を組み合わせた足場材には、in vivo組織再生を促進する効果が期待される。しかし、ある種のサイトカインは安定性に乏しいため、その活性保持と局所濃度コントロールが課題となっている。そこで本研究は、サイトカインを担持・安定化し、体液環境下で適切な濃度で徐放するサイトカイン徐放性足場材の構築を目的とした。 血管新生や骨組織の再生促進に有効なサイトカインである塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を、生体親和性材料(ヒト硬組織の主要無機成分)であるアパタイトの薄層に担持し、得られたbFGF担持アパタイト層(以後、複合層)の組成・構造制御に基づくbFGF徐放制御を試みた。前年度(令和4年度)は、複合層にフッ素を種々の含有量となるよう添加し、bFGF担持量およびbFGF徐放挙動に与える影響を明らかにした。令和5年度は、前年度の結果から選定された複合層について、透過電子顕微鏡、レーザー顕微鏡等による精密構造分析を行い、複合層のマクロ構造および結晶構造と、bFGF徐放挙動との相関を明らかにした。これらの結果に基づき、bFGFの局所濃度コントロールを可能にする足場材の設計・構築指針を提案し、国際的学術論文誌上で発表を行った。 さらに、上記の研究で得られた知見を参考とし、bFGF以外の低分子薬物を担持したリン酸カルシウム粒子についても検討を進め、エージング時間・構造制御に基づく薬物徐放制御を実証し、国際的学術論文誌上で発表を行った。
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Research Products
(5 results)