2022 Fiscal Year Annual Research Report
Surface modification of dental resin by light-induced transfer of multi-ion-substituted apatite film
Project/Area Number |
22F22036
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大矢根 綾子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究グループ長 (50356672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PONNUSAMY NANDHA Kumar 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-09-28 – 2025-03-31
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Keywords | 光重合 / 歯科用コンポジットレジン / アパタイト / 転写 / 過飽和溶液 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは近年、歯科用コンポジットレジンの光重合硬化反応を利用した原料アパタイト膜の光転写により、レジン硬化面を生体親和性に優れたアパタイト膜で迅速改質する技術を開発した。 本研究は、原料アパタイト膜に生理活性物質(抗菌性イオンなど)を導入することにより、レジン硬化面のさらなる高機能化を図ることを目的とする。 2022年度(約6か月)はまず、既報に従い、アパタイト膜(生理活性物質は無添加)の光転写とレジン硬化体の力学的試験を実施し、既報に示された結果について再現性を確認すると共に、特別研究員の技術習得を進めた。次に、生理活性物質として、抗菌性イオンであるフッ化物イオンならびに亜鉛イオンを導入した原料アパタイト膜の合成条件について検討した。具体的には、プラズマ処理後、交互浸漬処理された高分子フィルムを、フッ化ナトリウムおよび塩化亜鉛を種々の濃度で添加したリン酸カルシウム過飽和溶液に浸漬した。フィルム上に生成した原料アパタイト膜ならびにリン酸カルシウム過飽和溶液の状態を分析した結果、過飽和溶液に上記の両イオンを添加すると、一定の添加濃度以上で過飽和溶液が不安定化し(均一核形成を誘起)、均一な膜生成が阻害されることが明らかとなった。有効性の期待されるdoseで両イオンを添加した原料アパタイト膜を得ることは困難であったことから、次年度以降、生理活性物質の種類ならびに原料膜の合成条件の見直し・再検討を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画に従い、アパタイト原料膜へのフッ化物イオンならびに亜鉛イオンの共添加を試みたものの、過飽和溶液の不安定化により、有効性の期待されるdoseで両イオンを添加することは困難であることが分かり、計画変更の必要が生じた。以上より、やや遅れが生じていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に検討した生理活性物質の組み合わせ(フッ化物イオン+亜鉛イオン)を変更し、原料アパタイト膜の合成条件について検討する。得られた原料アパタイト膜を用いて歯科用レジン表面へのアパタイト膜の光転写を実施し、表面改質された歯科用レジンの物性・機能評価を進めていく。
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Research Products
(5 results)