2022 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental constraints on amphibole growth to elucidate pre-eruptive processes of hydrous magmas
Project/Area Number |
22F40316
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
東宮 昭彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30357553)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WELLER DEREK 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2022-09-28 – 2025-03-31
|
Keywords | 実験岩石学 / 角閃石 / 鉱物累帯構造 / メラピ火山 / マグマ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年(2022)度は、特別研究員の来日が9月末であったため研究期間が実質半年以下であったが、研究実施計画に従い、まずは文献調査を進めるとともに、インドネシアのメラピ火山におけるフィールド調査を実現させることができた。インドネシアのガジャマダ大学の研究者をカウンターパートとして紹介いただくことができたので、現地の火山噴出物の分布など詳細な情報を得つつ、調査計画の立案や関係する各種手続きを迅速に行うことができた。その結果、目的としていたメラピ火山2010年噴火の噴出物(火砕流堆積物)の現地地質調査と岩石試料採取を無事に完了させられた。メラピ火山2010年噴火は、同火山の最近の噴火の中ではやや規模の大きな爆発的噴火を伴っており、火山学・岩石学的に興味深いだけでなく、防災上も重要視されている。本研究では、この噴出物の解析を主な目的としており、その調査・試料採取の実現は最重要課題であった。採取試料のインドネシアからの持ち帰りについては、MTAを含む輸出入に関する手続きを進めており、令和5年(2023)度の早い時期に試料を入手のうえ、分析等に取り掛かれる見込みである。このほか、少量の手持ち試料があったため、そちらについて予察的な鉱物組成分析等を産業技術総合研究所(産総研)のEPMA (電子線マイクロアナライザ) にて実施した。これは、特別研究員の産総研における分析装置使用のトレーニングを兼ねており、合わせて試料調製技術(岩石カッター、試料研磨機、真空蒸着装置等)も習得した。これまで述べたように、令和4年度はインドネシア現地調査およびそのための準備や手続き等を実施した一方、採取試料がまだ手元にないために、本格的な分析データの取得は令和5年度に入ってからとなる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れには複数の理由が重なっている。主な理由の1つは、インドネシアでフィールドワークを行うためのビザや許可を取得するための手続きに手間と時間を要したことである。さらに、インドネシアから日本に岩石試料を輸出入する許可を得るのも同様に手間と時間がかかるプロセスであって、関係各機関の間でMTA締結など時間のかかる事務手続きをこなさなければならなかった。このため、調査自体は2023年1月に無事完了できたものの、採取した岩石試料を年度内に入手することはできないこととなり、試料の分析等もそのまま遅れる結果となっている。 このほか、特別研究員は4月から育児休暇を取得しているため、令和5年(2023)度の研究もこの間は中断となる。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年(2023)度の早い時期には、採取した試料をインドネシアから日本へ輸送する許可が得られ、試料を入手できる見込みである。特別研究員が育児休暇から復帰し次第、研究が再開される。試料の入手後は、研究実施計画に記載されている事項を順に完了させていく予定である。ただし、予期せぬ障害により計画実行にかなりの時間がかかっているため、今後実施する予定の実験の数を少し減らすことも検討中である。
|