2023 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロジニアスなエクサ級スパコンによる遷音速バフェットの高忠実度シミュレーション
Project/Area Number |
22KF0421
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
橋本 敦 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 主幹研究開発員 (30462899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUSHER DAVID 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | CFD / 数値流体力学 / 圧縮性流体力学 / 遷音速流 / バフェット / 衝撃波 / LES / GPU |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外国人特別研究員のOpenSBLIの技術(ヘテロジニアス・コンピュータに対応した流体解析コード自動生成システム)と、受入研究者の流体解析技術及び日本のスパコン利用技術(富岳やJAXAのJSS3)を組み合わせることで、世界に先駆けて3次元翼における遷音速バフェットの高忠実度シミュレーションを実現し、主に下記の4つの成果が得られた。 A)2次元バフェット解析におけるスパン方向領域の大きさの影響を明らかにした。2次元バフェット解析は、スパン方向の領域に強く影響を受けることがわかり、領域に影響しない結果を得るには少なくともアスペクト比(翼の流れ方向長さとスパン方向長さの比)=0.1が必要であることがわかった。 B) バフェット解析における上流側の境界層の状態(乱流、層流、遷移)の影響を明らかにした。上流側の境界層の状態を乱流、層流、遷移と変化させると、衝撃波の構造、振動、空気力が大きく影響を受けることがわかった。 C)高忠実度解析により、後退角のない翼における3次元バフェットセル現象を再現した。アスペクト比が2と3のケースで、バフェットセル/ストールセルと呼ばれる不安定現象(衝撃波が波打つ形状になる現象)が発生することがわかった。 D)高忠実度解析と低忠実度解析(RANS、URANS、GSA)と比較して、低忠実度解析の有効性と限界を明らかにした。2次元バフェットに対して、高忠実度解析と低忠実度解析(RANS、URANS、GSA)と比較し、遷音速バフェットの主要な衝撃波周波数が一致することを確認した。
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