2022 Fiscal Year Annual Research Report
The simulation of forest management for sustainable provision of ecosystem services under climate change.
Project/Area Number |
21J21458
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀田 亘 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 自然撹乱 / レガシー / 森林景観モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大規模表層崩壊が発生した北海道厚真町を対象に、撹乱後の森林回復と残存林での森林管理を複合的にシミュレーションすることにより、風倒や斜面崩壊などの撹乱が増加する気候変動下で、生態系サービスの安定供給を実現するための包括的な森林管理を検討する。 令和4年度は、表層崩壊後の森林回復の予測を可能にするためのシミュレーションモデルの改良を行なった。森林生態系の長期的な変化を予測するために世界で広く用いられている、森林景観モデルLANDIS-IIを改良することで、表層崩壊後の森林回復の再現の精緻化を試みた。まず、表層崩壊発生後数年間における表面侵食による植物個体の定着率の低下を表現するために、植生が一定程度回復するまでは斜度が大きいほど定着が困難になるように定着計算を改良した。また、野外調査の結果から、斜面下部ほど湿潤環境を好む樹種が優占することが明らかとなったため、各サイトの湿潤度を示したラスタと湿潤耐性を表す樹種別のパラメータを新たに追加し、定着計算に組み込んだ。改良版のモデルが、地上部バイオマスと種組成の経年変化の実測値(昨年度の野外調査データ)を再現できるように、交差検証によってパラメータの調整と結果の検証を行なった。これによって、斜面上の位置による表層崩壊後の森林回復速度の違いを再現することに成功した。これらの内容は国際シンポジウムForest Disturbance and Ecosystem Dynamics Symposium 2022や日本生態学会にてポスターー・口頭発表を行なった。また、北海道厚真町の森林域全体でシミュレーションを行なうためのベースマップやパラメータの整備・調整を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
森林景観モデルLANDIS-IIで表層崩壊後の森林回復をシミュレーションするための改良及び調整が概ね完了したため。また、北海道厚真町の森林域全体でシミュレーションを行なうためのベースマップやパラメータの整備・調整がおおむね完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる令和5年度は、自然撹乱の頻度や強度が高まる気候変動下において、様々な生態系サービスを持続的に発揮していくために最適な森林管理手法の提言を目指す。北海道厚真町において、様々な将来気候、将来撹乱レジーム、撹乱後管理、残存林管理のオプションを組み合わせた、多様なシナリオの下での森林景観の変化をシミュレーションする。得られた結果から、生物多様性、木材生産、炭素収支、自然災害防止などの生態系サービスの供給量や供給の時間的安定性を定量的に評価する。これらの結果は国内外の学会発表等で発信する予定である。
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