2023 Fiscal Year Annual Research Report
光イーサネットの飛躍的な通信容量拡大のための波長・モード多重技術に関する研究
Project/Area Number |
22KJ0053
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 航大 北海道大学, 情報科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | シリコンフォトニクス / 光イーサネット / テラビットイーサネット / モード分割多重 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、今後必要不可欠であるテラビットイーサネット実現に向け、従来の波長分割多重に加え、モード分割多重を利用する新たな通信システムの提案と、その実現に必要となる、広帯域モード合波器の提案・設計・実験的検証を行った。本年度は、これまでに提案したWavelength Insensitive Coupler (WINC) 型モード合波器を利用したO-bandモード合波器の実験的検証に加え、新たなモード合波器構造として非対称方向性結合器を3つ利用したThree-stage Cascaded WINC (3CWINC) 型モード合波器の提案とその理論的検証を完了した。試作したO-bandモード合波器の測定実験結果はJOSABにおいて発表し、3CWINC型モード合波器の理論的検証はELEXにおいて発表している。JOSABの発表において大量生産性に優れるフォトリソグラフィによって作成されたモード合波器の実験的性能実証を初めて行った。特に試作したTE0-TE2モード合波器は先行研究と比較し、最も小さな挿入損失を実現している。また、ELEXにおいて発表した3CWINC型モード合波器は、従来構造の理論限界を突破可能な優れた構造であり、従来構造では実現不可能な特性を実現可能であることを理論的に実証した。 これらから、本研究の最低達成目標であった四波長・三モードを多重可能な波長、モード制御デバイスの理論的、実験的検証を完了することが出来たと考えている。一方、発展的な課題として想定していた、モザイク状素子を利用した超小型モード制御デバイスの実現はできていない。モザイク状素子の効率設計のための新たな設計手法の開発自体は前年度に行っているものの,それを利用した、超小型モード制御デバイスの実現はできていなため、全体の実施状況としては最低限の達成目標の達成にとどまっている。
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