2022 Fiscal Year Annual Research Report
生産方式の変革に対応した制御対象のモデルを使わない振動制御技術の開発
Project/Area Number |
22J11365
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米沢 安成 北海道大学, 大学院工学院, 特別研究員(DC2) (30979737)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | アクティブ振動制御 / モデルフリー制御 / スライディングモード制御 / 最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
初めに,振動制御を行う周波数帯域内でモデルフリー振動制御を実現するために,先行研究にて提案された設計条件を参考にして仮想構造物を設計した.そして,アクチュエータモデル及び仮想構造物のモデルから,モデルフリー制御器を設計するための状態方程式を導出した.次に,導出した状態方程式を基に,モデルフリー振動制御器を設計した.具体的には,先行研究にて提案された,切換超平面上での状態のダイナミクスが最適となるような切換超平面の設計法,及びリアプノフ関数法に基づくスライディングモードの存在条件を参考にして,仮想構造物に基づくモデルフリースライディングモード制御器を設計した. 続いて,ダイナミックセル生産方式における産業ロボット用架台の振動問題への適用を見据え,モデルフリー制御系のためのオンラインチューニング手法を構築した.具体的には,設計したモデルフリースライディングモード制御系に対して,確率的最適化アルゴリズム及び観測出力に基づく制御器のオンラインチューニング機構を導入した.そして,提案する制御系の有効性を検証するための数値解析プログラムを構築した.最後に,当該プログラムを使用した振動制御シミュレーションによって,モデルフリースライディングモード制御器やオンラインチューニング機構の特性を精査した. 上記と関連し,得られた成果は,査読付き国際誌における学術論文,及び国内外の学術会議において発表されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究計画通りに,仮想構造物に基づくモデルフリースライディングモード制御器自体の設計,及び最適化アルゴリズムを活用したモデルフリー制御器のオンラインチューニング機構の構築を遂行することができた.さらに,構築したモデルフリー振動制御系の特性を評価するためのシミュレーションプログラムを作成し,これらの動作や特性を精査することができた.以上より,本研究で提案するモデルフリーアクティブ振動制御手法の核となる要素が構築できたという点において,研究計画はおおむね順調に進展している. 成果発表の状況として,上記と関連して,得られた成果が査読付き英文誌及び国内外の学術会議にて発表された.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,昨年度に引き続き,提案手法であるオンラインチューニング機構を導入した仮想構造物に基づくモデルフリー振動制御系について検討を行う.具体的には,長期稼働に伴うアクチュエータのパラメータの不確かさの発生をはじめとした,実際の生産現場での使用を意識した様々な状況下における,提案手法の有効性を検証する.所望の性能が得られない場合は,制御器のオンラインチューニング機構の調整や,制御系の改良などを適宜行う.得られた成果は,随時,国内外における学術会議や,学術雑誌にて発表する.
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