2023 Fiscal Year Annual Research Report
サケの自然産卵はなぜ重要か?流域管理を考慮した個体群管理手法の検討
Project/Area Number |
22KJ0069
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 太平 北海道大学, 地球環境科学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | サケ科魚類 / 再生産効率 / 分断化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、サケ類の産卵適地地図(昨年度にニューラルネットワークを用いて作成)において適地と判定された区間が、実際にサケの産卵に利用されているかどうかを検証した。2023年の11月に、北海道全域の20河川(チマイベツ川、ルシャ川、斜里川、北見幌別川、別寒辺牛川、厚沢部川、日高門別川など)において、産卵床のカウント調査を実施した。調査区間は、産卵適地地図における適地と不適地から河川ごとに一つずつランダムに選択した。そして、調査後に適地と不適地間で産卵床密度の比較を行った。その結果、適地と判定された区間では、産卵床密度が顕著に高いことが示された。このことから、作成した産卵適地地図が一定の精度を有することが示唆された。 また、前年度までに取得したカラフトマスの再生産効率のデータをもとに、知床半島を対象として、気候変動が進行した場合の再生産効率の予測を行った。その結果、気候変動によって降水量が増加した場合、再生産効率が現在よりも顕著に低くなるが、傾斜が緩やかな流域では再生産効率が高く維持されることが明らかとなった。再生産効率の規定要因の検証と、気候変動の影響評価を行った論文は、淡水生物学に関する国際誌であるFreshwater Biology誌に掲載された(Yamada T, Urabe H, & Nakamura F. (2024) Pink salmon productivity is driven by catchment hydrogeomorphology and can decline under a changing climate. Freshwater Biology 69(3): 376-386.)。
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Research Products
(3 results)