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2022 Fiscal Year Annual Research Report

目玉模様への鳥類の忌避反応:比較行動学・組織解剖学からの統合的検討

Research Project

Project/Area Number 22J11726
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

水野 歩  北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC2)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2024-03-31
Keywords眼状紋 / 目玉模様 / カエデチョウ科 / 視覚選好 / 警告信号
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は,一般に広く知られている「チョウやガの翅に存在する目立つ目玉模様は,鳥類にとっては捕食者の眼のごとく見えるため,捕食回避として機能している」という学説が本当に正しいのかの解明を目指している.忌避反応が喚起されるのは目玉模様が捕食者の眼に見えるからなのか(眼の擬態仮説),それとも単に目立つ模様だからなのか(警告信号仮説)という点に着目し,鳥類全般での目玉模様の忌避効果の検証を進めている.初年度は当初計画の①行動実験と②系統関係を考慮したメタ解析のうち,主に①行動実験を実施し,次のような検討をおこなってきた.

目玉模様刺激を対呈示する実験を通して,眼の擬態仮説と警告信号仮説のどちらが当てはまるかを検討した.具体的には,幾何学的な視覚刺激に対して高い反応性を示すことが刺激呈示実験から既に明らかになっているカエデチョウ科鳥類の一種,コモンチョウNeochmia ruficaudaに対して,眼に似せた1対の目玉模様刺激と,眼には見えないが目玉模様が連なって存在する目立つ目玉模様刺激を呈示し,その反応を比較した.呈示刺激への反応として,模様刺激への忌避反応は逃避行動(刺激から逃げる)と驚愕反応(刺激を見て飛び上がる)を,選好反応は注視反応(刺激を覗き込む)を記録した.もし,眼の擬態仮説が当てはまるのならば1対の目玉模様に対して,警告信号仮説が当てはまるのならば目立つ目玉模様刺激に,実験個体はより忌避反応を示すと予測される.

結果,いずれの実験個体においても,2つの呈示刺激に対して忌避反応は示さないことがわかった.逆に一部の個体では目玉模様刺激への選好反応が繰り返し観察された.このことは,目玉模様が全ての鳥類において忌避される模様ではないことを示唆する.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究計画の3つのうちの一つである,行動実験をほぼ完了し,現在詳細な解析を進めている.また,メタ解析に関しても着手し始めている.今年度参加した国際学会や国内学会,海外研究者との研究打ち合わせでは 多様な研究者や学生と議論する機会があり,今後の研究に役立つ示唆が多く得られた.

Strategy for Future Research Activity

鳥類全般で目玉模様に対する忌避反応がみられるか,また忌避反応に種差があるとすれば何によって生じるのかの解明には未だ至っていない.そのため,鳥類網羅的な解析を実施すべく,メタ解析に注力して現在研究を進めている. また,夏から秋には,鳥類の空間視力の推定し,その推定値を組み込んだ系統種間比較を実施する予定である.

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] カエデチョウ科鳥類の羽装模様の進化と視覚選好の関係2023

    • Author(s)
      水野歩・相馬雅代
    • Organizer
      日本生態学会
    • Invited
  • [Presentation] Food-mimicking ornamental traits in Estrildid finches2022

    • Author(s)
      Ayumi Mizuno, Masayo Soma
    • Organizer
      International Society for Behavioral Ecology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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