2022 Fiscal Year Annual Research Report
Urban-eco-evolutionary processes: a linkage between evolution in plant defense and pollination service in cities
Project/Area Number |
22J21807
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石黒 智基 北海道大学, 環境科学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 個体群生態学 / 植物の都市環境への適応 / 都市化が進化に与える影響 / 都市における植物の適応進化 / 都市化による環境変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究をふまえ、都市内の自然緑地が少ないほど被食防衛形質の頻度が低下するという仮説を検証した。自然緑地の配置など景観要素が異なる都市におけるシロツメクサ被食防衛形質の空間分布を比較し、都市適応における被食防衛形質の空間分布パターンを明らかにすることを目的とした。
自然緑地の配置やコンクリート被覆率等の景観要素が異なるように、都市中心から郊外農耕地帯を含む旭川市、釧路市、函館市 それぞれの各所個体群からシロツメクサを定量採取した。シロツメクサは被食防衛形質をもつ個体と持たない個体に分かれる多型のため、Feigl-Anger アッセイにより遺伝子型を判別し、都市から郊外にかけての被食防衛形質頻度の空間変異を調べた。また、被食度や生育地の開空度のデータや、GIS データベースより気温や積雪深などの景観データを得て、被食防衛形質の集団内頻度を変化させる要因を統計解析により明らかにし、被食防衛形質集団内頻度の空間変異の予測モデルを構築作成した。また、これらデータと、これまでの研究で得られたデータを比較・統合した解析を行い、景観要素と都市適応における形質の空間分布パターンを明らかにしようとしている。 また、都市部集団と郊外部集団を用いる相互移植実験により局所適応を検出すると共に、都市全体でどれだけ遺伝的交流が行われているのかを明らかにするため、集団遺伝学的解析を行っている。
これらの研究成果により、複雑かつ不均質な都市環境が生物の進化に及ぼす影響の実態についての理解を大きく深化させることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然緑地の配置やコンクリート被覆率等の景観要素が異なるように、都市中心から郊外農耕地帯を含む旭川市、釧路市、函館市 それぞれの各所個体群からシロツメクサを定量採取した。シロツメクサは被食防衛形質をもつ個体と持たない個体に分かれる多型のため、Feigl-Anger アッセイにより遺伝子型を判別し、都市から郊外にかけての被食防衛形質頻度の空間変異を調べた。また、被食度や生育地の開空度のデータや、GIS データベースより気温や積雪深などの景観データを得て、被食防衛形質の集団内頻度を変化させる要因を統計解析により明らかにし、被食防衛形質集団内頻度の空間変異の予測モデルを構築作成した。また、これらデータと、これまでの研究で得られたデータを比較・統合した解析を行い、景観要素と都市適応における形質の空間分布パターンを明らかにしようとしている。 局所適応を検出するために都市部集団と郊外部集団を用いる相互移植実験を実施している。また、都市全体でどれだけ遺伝的交流が行われているのかを明らかにするため、集団遺伝学的解析に着手している。
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Strategy for Future Research Activity |
被食防衛形質の頻度が高い集団ほど送粉者の誘引・活動が 高まり、低い集団ほど送粉者の誘引・活動が弱まるという仮説の検証を目的として操作実験を行う。 都市部において被食防衛形質の頻度が低下したことにより 送粉者の誘引・活動が弱まり、その結果近隣農地での送粉効率が低下することが農業生産性の低下につながるという仮説の検証を目的として、操作実験を行う。
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Research Products
(1 results)