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2022 Fiscal Year Annual Research Report

樹木における日長受容様式の適応進化

Research Project

Project/Area Number 21J21368
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

大野 美涼  岩手大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2024-03-31
Keywords日長認識 / フェノロジー / 開芽 / 植物ホルモン
Outline of Annual Research Achievements

温帯以北に生育する一部の落葉樹は、春に展葉時期を調節するために日長情報を利用する。申請者のこれまでの研究から、冬季の日長認識の際に、樹種によって光を受容する器官や各器官への依存度が異なること、その種間変異が生育する光環境と相関していることが明らかになった。本研究課題は、この日長受容様式の種間変異が適応進化によって形成されてきたのかを明らかにするため、日本に自生するカエデ属26種を対象に、冬季の日長認識に関与する光受容器官の特定と、系統を考慮して生育している光環境や他の環境要因との関連性を検証する。
本年度は、各種の光受容器官を特定するために新たにカエデ属5種を対象に切り枝を用いた器官特異的な遮光実験を行った。昨年度の結果と合わせると、実験予定のカエデ属26種のうち20種の日長受容様式が特定できたことになる。これにより、日本産カエデ属の日長受容様式の多様性の概要を把握することができた。また、生理学的側面から光受容器官の種間変異を検証することを目的とし、異なる光受容器官をもつカエデ属2種を対象に冬芽と枝の植物ホルモン分析を実施した。その結果、生理的な側面からも日長受容様式が異なっていることが明らかになった。
加えて、カエデ属13種を対象に生育している光環境の調査を実施した。今後、分布情報をもとにしたマクロ的な気候要因や系統関係なども考慮し、光受容器官と生育している光環境との関連を検証する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

自身のサンプルをもとに作成予定であったカエデ属26種を含む系統樹の作成が遅れているため。既存の系統樹を利用する方針に変更し、早急に解析を進める。

Strategy for Future Research Activity

今後は、早急にカエデ属の系統樹を作成し、その後これまでに明らかとなったカエデ属20種の日長受容様式と生育している光環境との関連性を系統関係を考慮して解析する。加えて、光環境以外の環境要因が日長受容様式の種間変異や進化に関連している可能性を検証するため、各種の分布情報をもとに、光環境以外の環境要因(気温など)を定量評価し、日長受容様式との関連性を検証する。これにより日長受容様式と光環境との関連性に関してより明確な検証が行えると考える。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 植物ホルモンからみる落葉樹における日長受容様式の多様性2023

    • Author(s)
      大野美涼、菅野裕理、瀬尾光範、山尾僚
    • Organizer
      第70回日本生態学会大会
  • [Presentation] Interspecific variation in light-sensing organs for budburst in deciduous tree species and their association with light uniformity in their habitats2022

    • Author(s)
      Misuzu Ohno and Akira Yamawo
    • Organizer
      INTECOL 2022
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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