2021 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類小脳ー大脳皮質回路における認知・感覚・運動機能への小脳入力の役割解明
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20J40069
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
別府 薫 東北大学, 医学系研究科, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2020-07-01 – 2025-03-31
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Keywords | 一次運動野 / 運動前野 / 霊長類 / 電気生理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、霊長類動物の大脳皮質、特に、運動関連領野における神経活動が、動物の感覚・認知・行動にどのように関与しているのかを明らかにする。視覚や聴覚といった感覚刺激に応じて、2つのレバーのうち正しい方を手で押し、報酬をもらう、という認知行動学習をサルに行わせる。このような、外部の感覚情報に応じた外発的な運動に関連する運動領域である、一次運動野と外側運動前野から、256チャネルの3次元多点電極によって広領域の大規模電気記録を行う。運動野は小脳や大脳基底核と、それぞれ神経回路を形成している。小脳からの入力は、視床を介して運動野の中間層に入力し、基底核からの入力は、視床の同じ領域を介して、運動野の浅い層に入力する。本研究では、運動前野と一次運動野の層依存的な発火タイミングに着目することで、小脳入力と基底核入力をどのように情報処理しているのか、明らかにする。本年度は、実験動物の管理を行い、行動実験セットアップの仕様を理解した上で、すでに実験を終えた2頭のサルから記録したデータの解析を開始した。大脳皮質では、ベータ波やガンマ波帯域の脳波が生じ、領域間ネットワークの情報伝播を担っていると考えられている。これら脳波の位相や振幅と、領域特異的・層依存的な神経発火のタイミングに相関があるのか、行動記録と神経記録を組み合わせた解析を行うことで明らかにし、運動領野の神経活動と認知行動のつながりの理解を深める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、サルの行動実験を行い、大脳皮質の運動領野から電気記録したデータの解析を行っている。本研究課題は、計画通り順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、当初の計画通り、認知行動学習を行うサルから、3次元多点電極を用いて電気記録をとる。今後の推進は、令和3年度に引き続き、大脳皮質の運動領野から記録した結果を解析することで、行動に相関した層依存的な神経発火について調べる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Optogenetic stimulus-triggered acquisition of seizure resistance2022
Author(s)
Shimoda Y, Beppu K, Ikoma Y, Morizawa YM, Zuguchi S, Hino U, Yano R, Sugiura Y, Moritoh S, Fukazawa Y, Suematsu M, Mushiake H, Nakasato N, Iwasaki M, Tanaka KF, Tominaga T, Matsui K
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Journal Title
Neurobiology of Disease
Volume: 163
Pages: 105602
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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