2021 Fiscal Year Annual Research Report
機能性分子センサを用いた低レイノルズ数における非定常干渉流れの解明
Project/Area Number |
21J20324
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笠井 美玖 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 圧縮性流れ / 低Reynolds数 / 直列二角柱 / 気柱音響共鳴管 / 感圧塗料 / 臨界間隔 / 干渉流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は低圧における非定常感圧塗料(PSP)開発とその評価環境の構築および低圧風洞試験による物体間の密度場可視化実験,圧力計測試験,および力計測試験を行った.まず低圧環境におけるPSP応答特性評価のため気柱音響共鳴管を用いて,高速応答性を有することで知られる数種類のポリマー/セラミックPSP(PC-PSP)とその組み合わせや組成を変えて周波数応答性試験を評価した.この低圧における周波数応答試験により,2 kPaの低圧において4 kHz以上のカットオフ周波数を有するPC-PSPを開発した.さらには,低圧における高速な現象の計測のための高速応答PSPの評価方法を提案した. また,非定常干渉流れの一例として初年度は直列に並んだ二角柱周りの流れ場を研究した.低圧風洞において,Re=2000における二角柱の無次元間隔およびマッハ数を変化させ密度場可視化実験および定常抗力計測・圧力計測を実施した.Re=2000付近の非圧縮性流れにおいて直列に並んだ二角柱は特定の距離で流れ場が急激に変化する臨界間隔を持つことが知られるが,マッハ数0.4以上では無次元間隔を増加させても抗力の不連続な増加はなく,なだらかに抗力が増加することが明らかになった.すなわち,低Reynolds数において直列に並んだ二角柱まわりの流れは圧縮性に大きく影響され,その流れ場の様相が非圧縮性流れと圧縮性流れでは全く異なることを明らかにした.また,非定常PSP計測のために,角柱側面に半導体圧力センサを埋め込み非定常干渉流れの主要な周波数解析を実施した.結果,間隔が近い二角柱まわりでは10kHz以上の高周波な渦放出が発生する可能性が示唆された.今後は二角柱周り流れの周波数解析の結果および高速応答PSP評価試験の結果から,直列に並んだ二角柱まわりの流れを計測するのに最適なPC-PSPを選定し,非定常圧力計測を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高速応答PSP評価試験や現象計測のための高速応答PSP評価試験結果は予定通り進展し,成果を学術誌に投稿準備中である.加えて非定常干渉流れの一例として直列二角柱まわり流れを様々な計測法で評価できた.一方で,PSP計測と同期計測するための電気信号センサの最適なセンサ位置探査には手を付けられておらず,従来通りのセンサ配置になった.
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Strategy for Future Research Activity |
二角柱まわり流れの周波数解析の結果および高速応答PSP評価試験の結果から,直列に並んだ二角柱まわり流れを計測するのに最適なPC-PSPを選定し,非定常圧力計測を行う予定である.さらには,二角柱まわり流れの様々な計測結果から,圧縮性低Reynolds数において流れ場が急激に変化する臨界間隔を支配する要因の考察を行う.
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Research Products
(9 results)