2022 Fiscal Year Annual Research Report
Designing intelligent reflecting surface-aided next-generation 6G/Beyond-5G wireless networks
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21J20615
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 紘明 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | IRS / 無線通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,初年度に引き続きネットワークで発生する現象の理論的解析に基づき,本システムの基礎設計を行った.まず,端末の移動速度,現在の通信環境,周囲の障害物の状況などの情報を基に,どの端末にどのIRSを用いて通信を提供するかを決定するアルゴリズムを設計した.また,事前情報の活用,反射特性の離散制御などを導入し,システムを効率的に制御可能な通信方式の設計を行った.その後,2つのシステムを統合することで,無線環境が不規則に変動する環境においても追従し通信を行うことが可能な通信システムを設計した.そして,設計したシステムをシミュレータに移植し,シミュレーションにより本通信制御方式の性能評価を行った.第一に,適切なIRSの選択および効率的な反射特性制御を目的とした各システムが有効に動作することを確認した.また,それらのシミュレーション結果からシステムの改善を繰返し,システムの完成度の向上を図った.第二に,各システムが連携して一つのネットワークシステムとして正常に動作するか,それぞれのシステムが互いに負の干渉効果を与えることがないかを確認し,システム全体の安定性について検証を行った. また,本成果をIEEE Transactions on Vehicular Technology, IEEE Journal on Selected Areas in Communications, 電子情報通信学会総合大会, 電子情報通信学会RCS研究会などで発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は伝搬環境のうちの一部分のみを選択的に測定し,疎な伝搬環境情報を基にIRSが電波伝搬制御を行う「選択的反射制御方式」について,端末の移動によって生じる伝搬環境の変動量を推定し,その変動量に対して測定する伝搬環境情報の最適な選択と測定回数を定める数理モデルを構築した.また,計算機シミュレーションによる検証を行い,提案手法を適用した場合,伝搬路制御の精度を維持しつつ伝搬路測定の回数を35%程度削減できることを示した.さらに,提案手法によってIRSによる伝搬路制御が効率化され,必要なIRS設置数を最大14%削減できる可能性があることがわかった.これより,本研究の目的から鑑みても本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発したIRS通信システムの有効性を検証することを目的とし,実環境を模擬した通信モデルによる検証実験を行う.IRS デバイス数台と可搬型の5G 基地局および移動端末数台を用いて模擬システムを構成し,実機による通信実験を行う.端末の移動速度や端末の存在密度などを変化させながら様々な環境における実験データを収集し,データを基にシステムの各種パラメータをチューニングすることで,実環境,実デバイスにおける外乱要因を考慮した現実的なシステムの構築を目指す.
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