2022 Fiscal Year Annual Research Report
3次元非定常流体場再構成解析による超音速流れからの音響波の現象解明と低減への挑戦
Project/Area Number |
21J20744
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
Lee Chungil 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 超音速ジェット騒音 / 超時空間解像計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、データ 駆動型の流体解析技術と流体可視化技術を融合することで、時空間に解像された計測技術を確立し、超音速ジェット騒音の現象を解明することを目的とした。特に、主なジェット騒音であるスクリーチ騒音を対象とした。 昨年、非時間解像度の粒子画像流速計測(PIV)と時間解像度の音響計測を同時に行い、両者の関係を線形回帰で結びつけることで、スクリーチ騒音に関連する3次元速度場を高い時間解像度で再構成した。本年度は、再構成された3次元速度場を用いてスクリーチ騒音の物理現象を大きく深めた。 フラッピングモードが支配的なスクリーチ騒音は2つの逆回りに回転するヘリカル構造で形成される。これらの構造に主流方向に空間フーリエ分解を適用することで、上流側に伝播する構造と下流側に伝播する構造を分けることができた。各ヘリカル構造の波数特徴は同一であるが、下流側に伝播する構造の振幅が異なることを発見した。これらの結果はスクリーチ騒音の発生メカニズムに重要な情報だと思われる。 背景指向型シュリーレン法による3次元密度場再構成(3DBOS)計測と音響計測を同時に行い、超時空間解像計測を実施した。3DBOSから得られた密度場と音響場の関係を線形で結びつけることで、スクリーチ騒音に関連する3次元密度場をサンプリングレート200kHzの時間解像度で再構成することに成功している。また,フラッピングモードが支配的なスクリーチ騒音でヘリカル構造の回転速度の違いよりフラッピングモードの振動面の角度が時間によって変化していくことが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超解像計測技術よりスクリーチ騒音に関連する流体構造をより深く理解することができ、この成果を国際・国内学会に発表し、論文にまとめ国際学術誌に投稿中である。 これまでは流体場と音響場の線形回帰で結びつけることで、超解像計測を行った。これより、音響場と相関の弱い乱流構造の復元が難しいことが分かった。そこで、動的モード分解を実施し流体のダイナミックスを考慮した新たなアルゴリズムを開発した。しかし、流体場と音響場の相関が弱いため、新たな手法を用いても様々な乱流構造を推定することが難しかった。現在、音響場より相関がよい時間解像シュリーレン計測(狭い画角)と3DBOS計測を同時に行い,推定精度を調べる段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
時間解像シュリーレン計測(狭い画角)と3DBOS計測を同時に行い、シュリーレンのデータから3次元乱流構造を推定できるアルゴリズムの精度を調べる。 超音速ジェット騒音は各周波数に支配的な騒音が存在する。本手法は動的モード分解を用いるため、各周波数の流体構造とそれに関連する時間発展を得ることができる。これを利用して各周波数に支配的な騒音の構造とそれに関連する時間発展を調べる。また、支配的な騒音がどの周方向モードが支配的であるかなど、超音速ジェット騒音の現象理解を深める。
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