2022 Fiscal Year Annual Research Report
G13シグナルを制御可能な人工GPCRの創製と応用
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22J10475
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辰己 茉菜絵 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | GPCR / DREADD / MDシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、当研究室で開発されたG12を特異的に活性化可能なデザイナーGPCR(G12-DREADD)を改変することによって、G13と共役可能なG13-DREADDを開発することを目的としている。本年度ではまず、G12-DREADDが、G13に共役できない原因を探るため、GPCRとの相互作用界面に存在するG12とG13のアミノ酸残基を相互に置換した変異体を作製し、G12-DREADDとの共役を培養細胞実験によって検証した。この結果、G12-DREADDとの共役を制御するG12およびG13のアミノ酸残基の特定に成功した。さらに、コンピューター上でモデリングしたG12-DREADDの立体構造に、G12およびG13をドッキングし、分子動力学シミュレーション(MDシミュレーション)を行なった。その結果、上記のG12およびG13のアミノ酸残基とG12-DREADDの相互作用情報が得られ、G12-DREADDがG12に選択性を示す原因の解明に至った。具体的には、G12とG12-DREADDの相互作用界面に存在するアミノ酸残基は安定的な相互作用を形成する一方、G13は同様の相互作用を形成できないことが分かった。さらに、この相互作用情報から、G12-DREADDに導入すべき変異の候補がいくつか得られた。それらの候補変異を導入したDNAコンストラクトを作製し、培養細胞実験においてG12およびG13との共役を検証した。その結果、これらのうちいくつかの変異によって、G12との共役が弱まり、G13との共役が強まることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度では、G12-DREADDとG13の共役を改善する変異を得ることを予定していた。研究実績の概要に示した通り、MDシミュレーションによって得られたタンパク質間相互作用情報を元に、目的の変異を見出すことができており、当初の計画通り研究が進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、より長時間のMDシミュレーションによって、変異を導入する標的アミノ酸をさらに選定し、これまでの変異に加えることで、強力にG13と共役可能である理想的なG13-DREADDの創製を目指す。
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Research Products
(3 results)