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2022 Fiscal Year Annual Research Report

Innovative Quantum/Ising based Machine Learning

Research Project

Project/Area Number 22J22908
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

熊谷 政仁  東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2025-03-31
Keywordsイジングマシン / QUBO / 組合せ最適化 / HPC / クラスタリング
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題では,イジングマシンや量子アニーリングマシンと高性能デジタル計算機の連携による機械学習の高性能化を目指している.当該年度は,(1)組合せクラスタリングを用いたイジングマシンの評価,(2)量子-デジタルハイブリッド型コヒーレントイジングマシンによる組合せクラスタリング,(3)イジングマシンによる線形回帰を行った.(1)はじめに,組合せクラスタリングの評価は,イジングマシンの適切な運用方法を明らかにするために行われた.評価の結果,探索空間が複雑な最適化問題においては,解空間中のエネルギー障壁をすり抜ける探索が有効であることが明らかになった.また,このエネルギー障壁をすり抜ける探索は,複数のスピンやビットが同時にフリップすることで起こるため,これを実現する機構がイジングマシンの探索効率を向上させると考えられる.(2)量子-デジタルハイブリッド型コヒーレントイジングマシンは,最適化問題においてアナログ領域での探索とデジタル値によるエネルギー計算を組み合わせて問題を解くマシンである.組合せクラスタリングを解く評価の結果,複数のスピンが同期的に反転することで解空間のエネルギー障壁をすり抜ける探索を行う提案手法において探索性能が向上した.(3)最後に,これまで組合せクラスタリングを中心にイジングマシンの評価などを行ってきたが,新たな機械学習手法として線形回帰タスクに関する取り組みをおこなった.今後は,線形回帰や他の機械学習タスクについても調査し,実アプリケーション向けの適切なイジングマシンの運用方法とシステムのあり方を明らかにしていく.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当研究課題では,高性能計算機とイジングマシンの連携による機械学習の性能向上を目指している.当該年度は,当初の予定通りイジングモデルに基づく機械学習の高精度化に向けた取り組みを行った.イジングモデルに用いられる変数はバイナリ変数であるため,機械学習に広く用いられる離散最適化問題をイジングモデルに定式化する場合,一つの離散変数が複数のバイナリ変数を用いて表現される.これにより必要な量子ビット数が増加し,バイナリ変数が離散変数と同じ振る舞いをするために必要となる制約関数は解の精度を低下させる要因となる.申請者は本研究課題に至るまでに,機械学習アルゴリズムの一つであるクラスタリングに対して,制約関数を目的関数と独立して与えることで精度が向上することを示していた.当該年度においては,イジングマシンを利用して本手法をより幅広く利用するために,カーネル法を利用したイジングクラスタリングの手法に関する取り組みをおこない,取り組みが翌4月に学術論文誌に掲載された.
また,クラスタリングに関する更なる評価が行われ,学会で発表された.本評価より先に挙げた制約関数を目的関数と独立して与える手法が,複数ビットの同時反転を実現しており効率的な探索に貢献していることが確かめられた.
一方で,制約関数を目的関数と独立して与える手法は特定の状況下でしか実現できないが,コヒーレントイジングマシンの数値シミュレーションにより,量子効果を用いて所望の効果が得られる可能性を発見した.本取り組みは国際会議で発表されており,現在学術論文誌への掲載に向けて取り組んでいる.

Strategy for Future Research Activity

今後は,具体的に高性能デジタル計算機とイジングマシンの連携について検討していく.当該年度におこなったイジングマシンの評価により,イジングマシンで難しい最適化問題を解くためには,局所解を効率的に抜け出すために複数スピンが同時に反転する機構が必要であることが確かめられた.量子効果を伴うコヒーレントイジングマシンにおいては,ノイズを含むスピンの観測とスピン間の相互作用によって,複数スピンの同時反転を実現している.また,コヒーレントイジングマシンは,スピンにノイズを付与するアナログ機構と相互作用を作るデジタル機構のハイブリッド計算になっている.このようなハイブリッドシステムにおいて,複数スピンの同時反転のためにどのようなアナログ機構が必要かを今後明らかにしていく.また,デジタル計算を伴うバイブリッドシステムを用いることで,完全アナログなマシンでは実現できない細かい外部処理を行うことができる.探索効率を向上させるデジタルな外部機構のあり方についても今後の取り組みで明らかにしていく.
また,提案するハイブリッドシステムについて定量的に評価するために,他イジングマシンとの比較や複数のアプリケーションでの評価を行う.他イジングマシンとの比較については,計算時間や求解精度,数値精度などの複数の観点に着目する.複数アプリケーションでの評価は,これまでおこなってきたクラスタリングや当該年度に行った線形回帰を始め,機械学習手法を中心に評価を行っていく.

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] NTT Research, Inc.(米国)

    • Country Name
      U.S.A.
    • Counterpart Institution
      NTT Research, Inc.
  • [Presentation] QUBO問題における制約重み分割による解の高精度化に関する一検討2023

    • Author(s)
      小野田 誠, 小松 一彦, 熊谷 政仁, 佐藤 雅之, 小林 広明
    • Organizer
      情報処理学会 第85回全国大会
  • [Presentation] Squeezed-Quantum-Noise-Assisted Optimization for Quadratic Binary Problems by CIM-CAC2022

    • Author(s)
      Masahito Kumagai, Yoshihisa Yamamoto, Yoshitaka Inui, Satoshi Kako, Kazuhiko Komatsu, Hiroaki Kobayashi
    • Organizer
      2022 Coherent Network Computing (CNC)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Analysis of Precision Vectors for Ising-based Linear Regression2022

    • Author(s)
      Kaho Aoyama, Kazuhiko Komatsu, Masahito Kumagai, Hiroaki Kobayashi
    • Organizer
      23rd International Conference on Parallel and Distributed Computing, Applications and Technologies (PDCAT’22)
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 組み合わせクラスタリングによるアニーリングマシンの評価2022

    • Author(s)
      小松 一彦, 小野田 誠, 熊谷 政仁, 小林 広明
    • Organizer
      第185回ハイパフォーマンスコンピューティング研究発表会 (SWoPP2022)

URL: 

Published: 2023-12-25  

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