2023 Fiscal Year Research-status Report
複数台ドローンを用いた屋外移動体の多次元情報計測システムの開発
Project/Area Number |
22KJ0321
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 理哲人 東北大学, 情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | ドローン / ノイズ / リザバーコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,高精度な屋外状況認識技術の実現に向けて,複数台ドローンを用いた屋外移動体の映像,音,三次元点群データといった多次元情報をトラッキング可能な計測システムの実現を目的としている.2023年度はドローンでの収音を可能にするべく,複数マイクを搭載したドローン機体を作製し,マイクで取得した情報からドローンの羽音ノイズのみを除去するアルゴリズムを開発した.
ドローンを用いた収音は,ドローン自身の発するプロペラの羽音やモーターの回転音のために,機体にマイクを搭載するのみでは目標となる音を取得することが難しい.そこで,本手法では,時系列処理に適した機械学習モデルであるニューラルネットワークリザバーを用いて,ドローンモーターの回転数から,ノイズ周波数のピーク位置,振幅,バックグラウンドノイズの強度等をそれぞれ個別に学習及び推定し,動的に羽音ノイズのスペクトログラムを再構成する.そして,その再構成されたスペクトログラムを用いて,録音されたデータからドローンノイズを除去し,ターゲット音のみを抽出する.
2023年度ではノイズ推定及び除去手法の提案までが終了しており,提案手法の評価はまだ行えていない.今後は様々な条件下(異なるSN比,屋外及び屋内環境など)における他の機械学習モデルとの比較を行い,提案アルゴリズムの有効性を検証する予定である.また,それらの結果を纏めて査読付きの論文誌にも投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度,機械学習を用いてノイズ除去を行うアルゴリズムを開発した.また,本アルゴリズムを実行可能なドローン機体及びシステムを構築できた.今年度得られた成果及び知見は,多次元情報トラッキングシステムの核の一つであり,研究目標に向けて進展することができたと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は様々な条件下(異なるSN比,屋外or屋内環境など)における他の機械学習モデルとの比較を行い,提案したノイズ除去アルゴリズムの有効性を検証する.また,深度カメラを今年度開発した機体に搭載し,昨年度開発した複数台ドローン間距離算出アルゴリズムと組み合わせることで多次元情報トラッキングシステムを完成させる.
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Causes of Carryover |
本年度,論文執筆を行わなかったため,英語校正費用分が余った.余剰分は次年度論文執筆後の校正費として用いる.
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