2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of stres response in insects
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21J00318
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 崇志 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 昆虫 / ストレス / プロテアーゼ / 個体死 / 活性酸素 / 転写因子 / カスパーゼ / 神経系 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究から、昆虫の新規ストレス応答性遺伝子としてPhaedra1(以下、Phae1)を同定していた。本研究ではPhae1の発現制御機構および生理機能の解析を行っている。当該年度の研究の結果により、以下のことが分かった。 1) Phae1はストレスによって発生する活性酸素によって発現量が変化することが分かった。また、高温や低温、殺虫剤など、あらゆる種類の致死ストレスに対してPhae1は応答性を示した。2) レポーターアッセイを用いた解析により、ストレス曝露後にPhae1遺伝子が発現するために必須であるエンハンサー領域を同定した。3)さらに、同定したPhae1のエンハンサー領域に存在する転写因子結合モチーフを探索した結果、転写因子zがPhae1の発現制御に関わる可能性が示唆された。4) zの機能欠損変異体ショウジョウバエは、Phae1の遺伝子発現量が低下し、ストレスによるPhae1の発現量増加も起こらなかった。5) また、Phae1の機能欠損ショウジョウバエ同様、致死的高温ストレス後の生存率が増加した。 以上の結果から、zがストレス後のPhae1誘導を制御する転写因子であると考えられる。これ以外にも、低分子化合物ライブラリーを用いた阻害剤スクリーニングにより、Phae1の発現を制御するシグナル経路の探索を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
in vitroのレポーターアッセイシステムを用いた解析により、当初の予定よりもスムーズにPhae1の制御機構の解析が進めることができたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通り、レポーターアッセイを用いた解析を続けると共に、欠損変異体やレポター系統を用いて個体レベルでの生理機能解析を行うことで、これまでにない細胞レベルから個体レベルに至るまでのストレス応答性の解析を展開していく。
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