2023 Fiscal Year Annual Research Report
行動依存的なドパミン動態に基づく雄マウス性行動の神経基盤の解明
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22KJ0371
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮坂 藍 筑波大学, グローバル教育院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 性行動 / マウス / ドパミン / アセチルコリン / GRAB / ファイバーフォトメトリー法 / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
げっ歯類の性行動は、雄が発情雌に対してにおい嗅ぎ、追跡などの探索行動を十分に行った後、挿入、射精といった完了行動が、順序だって表出されることにより形作られる。しかしながら、これらの様々な行動成分からなる雄の性行動が、どのように脳内で制御されているかは明らかになっていない。本研究では、脳内報酬系の主要なシグナル分子のドパミン(DA)の放出パターンを、DA動態を可視化するGRABDAセンサーにより計測し、雄マウスの性行動場面に観察される特徴的なDA動態が、どのように性行動制御に寄与するのかを解明することを目指す。 申請者は、NAc腹側殻領域(vsNAc)におけるDA動態が、雄マウスの性行動表出に対応していることを見出した。DA放出を制御することの知られるアセチルコリン(ACh)の放出動態をGRABAChセンサーにより確認すると、vsNAcにおけるDAとAChは、性行動中特徴的な二重リズムの放出パターンを示すことが明らかとなった。加えてDAのリズムに先立ってAChのリズムが先立って生成されていることも観察された。このDAに先立つACh放出を、光遺伝学的手法により阻害すると、性行動表出が阻害された。一方、性行動中にACh放出を増強させる操作を行うと、射精前にのみ観察される特徴的なDA動態が誘発され、射精が惹起された。 したがって本研究により、vsNAcにおける協調的なACh/DA放出が、これまで未解明だった性行動の様々な行動成分の遷移に重要な役割を担うことが明らかとなった。この研究成果は国際誌に投稿済みで、査読中である(https://doi.org/10.1101/2023.12.21.572798)。
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[Presentation] Dopaminergic Signatures of male sexual behaviors in mice2023
Author(s)
Ai Miyasaka, Takeshi Kanda, Naoki Nonaka, Yuka Terakoshi, Yoan Cherasse, Yukiko Ishikawa, Yulong Li, Hotaka Takizawa, Masashi Yanagisawa, Jun Seita, Katsuyasu Sakurai, Takeshi Sakurai, Qinghua Liu
Organizer
Neuroscience 2023
Int'l Joint Research
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