2022 Fiscal Year Annual Research Report
Diophantine approximation, related problems, and applications to the existence or non-existence of arithmetic progressions
Project/Area Number |
22J00025
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 耕太 筑波大学, 数理物質系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 不定方程式 / ピアテツキーシャピロ列 / フラクタル次元 / 等差数列 / 素数表現関数 / 代数的独立性 |
Outline of Annual Research Achievements |
異なる2頂点を結んだ線分の長さが全て整数となるような直方体をオイラーの完全直方体と呼ぶ。オイラーの完全直方体の存在は未だに明らかになっていない。本研究では名古屋大学の金堂優哉氏と共同研究を行いオイラーの完全直方体の類似物を考えた。ここではその類似物を擬似完全直方体と呼ぶこととしよう。結果として、ディオファントス近似の方法を応用させ、擬似完全直方体が無限個存在することを明らかにした。さらに、擬似完全直方体の個数に関する予想からオイラーの完全直方体の非存在性を導けることを明らかにした。この研究ではフラクタル次元や等差数列の研究で得たテクニックやコンピューターを活用し結果を得ることができた。結果は論文にまとめ数論系の雑誌Acta Arithmeticaに投稿し、受理・公開された。研究発表も精力的に行った。 今年度は更に素数表現定数についての代数的独立性の論文について、Mathematikaに受理・公開された。ここで、素数表現定数とは常に素数を返すような二重指数型の関数の底のことをいう。この研究は東京理科大学の武田渉氏との共同研究である。今年度はこの研究に関する研究発表も行い、新しい課題も発見できた。現在、その課題にも取り組んでいる。 今年度はメインの課題であるピアテツキーシャピロ列上の不定方程式に関する解の有限性について新しい結果も得ることができた。論文は現在準備中であるが、いくつかの研究集会で発表した。来年度は論文で報告できる形まで完成させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フラクタル次元や等差数列の研究で培ったテクニックを応用させ、オイラーの完全直方体についての結果を得られたため(2)とした。多くの場で発表することで、得られた結果を広く公開することもできた。主題であるピアテツキーシャピロ列に関する等差数列の研究についても進展が得られ、おおむね順調である。ただし、当初の計画以上には進展していないため、来年度はより精力的に研究活動に打ち込みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はピアテツキーシャピロ列上の等差数列の研究をはじめ回文数についての研究や素数表現定数の超越性についての研究を進めていく。とくに、回文数については海外の研究者とも共同研究を行い。積極的に国際発表の経験を積んでいきたい。また、等差数列についての勉強も進め、最新の研究を取り入れていきたい。
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