2022 Fiscal Year Annual Research Report
位置特異的脱水素型クロスカップリング反応手法の確立
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22J11647
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 亮太 筑波大学, 理工情報生命学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 脱水素型クロスカップリング反応 / アセン / ポリフルオロアレーン / 位置特異的 / マルチアリール化アセン |
Outline of Annual Research Achievements |
アントラセンやナフタレンとポリフルオロアレーンの位置選択的な脱水素型クロスカップリング (CDC) 反応によるマルチアリール化アセンの簡便合成手法の開拓を行った。本反応は、アセンの立体的に空いた2箇所でカップリングが進行するため、特にn型有機半導体材料や有機発光材料への応用が期待できるマルチアリール化アセン誘導体を合成できた。 はじめに、アセン構造の違いによる位置選択性の影響を確認するため、アントラセンとポリフルオロアレーンのCDC反応を実施した。立体的に空いた箇所で選択的に反応が進行し、2,6異性体と2,7異性体が得られた。2,6異性体は有機半導体材料として有力な分子構造を有するため、その性能に興味が湧いた。2,6異性体は高いn型半導体特性を示したことに加え、その密な分子配向が高い半導体特性を得る上で重要であるを明らかにした。 次に、ナフタレンやアントラセンの1,5位に嵩高いアリール基を導入しCDC反応の位置選択性への影響を調査した。実際には、1,5位にブロモ基を有するジブロモアセンを鈴木宮浦クロスカップリング反応、直接的アリール化反応、Buchwald-Hartwigアミノ化反応により修飾した後、ポリフルオロアレーンとのCDC反応を行った。先に1,5位に官能基が導入されることで、立体的な要因によりCDC反応の位置選択性が高度に制御された。合成した化合物のうち、1,5-bis(m-xylyl)-3,7-bis(pentafluorophenyl)anthraceneはm-キシリル基とペンタフルオロフェニル基同士の相互作用とアントラセン骨格同士の相互作用によって分子同士が密に集積している様子が単結晶X線構造解析の結果から確認された。さらにこの化合物を用いて真空蒸着膜を作製し、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層として機能することを見出した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(4 results)