2022 Fiscal Year Annual Research Report
脱ユビキチン化酵素の切断モチーフを利用したタンパク質発現制御法の開発とその応用
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22J13230
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宇津木 優樹 筑波大学, 人間総合科学学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | デグロン / 脱ユビキチン化酵素 / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、デグロンと標的タンパク質の間に、細胞内の脱ユビキチン化酵素によって切断される基質配列を挿入することで、低分子化合物を添加し、デグロン融合タンパク質が安定化された後、細胞内の脱ユビキチン化酵素の活性により、標的タンパク質からデグロンを切り離すシステムを構築する。発現制御法としての基本的性能を明らかにするとともに、ゲノム編集技術を用いて、内在性タンパク質の発現制御への適用を目指す。令和4年度は、本デグロンシステムにより、内在的に発現するタンパク質の存在量を制御することが可能であるかを検討するため、CRISPR/Cas9ゲノム編集技術を用いて、標的タンパク質c-SrcのN末端にデグロンおよび切断基質配列を挿入した。P2A配列上流に接続したpuromycin耐性遺伝子と、デグロンおよび切断基質配列を標的領域に相同な配列で挟んだ遺伝子を含むドナープラスミドを、標的遺伝子に対するガイドRNAの鋳型となる遺伝子配列を含んだCas9発現ベクターとともに、ヒト1倍体細胞であるHAP1細胞に遺伝子導入した。Puromycinによる導入細胞の薬剤選択後、シングルセルクローニングを行い、PCRによるジェノタイピングにより、ノックインを確認した。さらに、ウエスタンブロットにより、デグロンと切断基質配列を付加した内在性c-Srcが、化合物添加時に、安定化され、c-Srcからデグロンが切り離されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/Cas9を用いて、c-SrcのN末端にデグロンおよび切断基質配列をノックインすることができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本ノックイン細胞を用いて、免疫染色を行い、デグロンから切り離された内在性c-Srcが細胞膜に適切に局在するかを確認する。
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