2023 Fiscal Year Annual Research Report
制御を不要とする高周波無線電力伝送システムの研究開発
Project/Area Number |
22KJ0481
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
朱 聞起 千葉大学, 大学院工学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / WPT / バッテリー充電器 / E級増幅器 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の研究では、ドローンによるIoTデバイス向け無線給電(WPT)システムの開発に取り組んだ。IoT設備に内蔵されるリチウムイオンバッテリーの特性上、より高効率で充電を行うために定電流(CC)給電および定電圧(CV)給電の両方が可能なWPTが求められる。従来のF/E級並列共振型インバータにモードスイッチ素子を加えることにより、CV/CC出力を切り替えることが可能となり、両方の給電モードを実現した。負荷抵抗の変化に関わらずソフトスイッチング動作を維持できるため、高周波動作において高効率を達成する。したがって、提案回路は無線充電器の小型高効率化に貢献した。本研究はEE研究会若手エンジニア論文発表賞を受賞した。
研究期間全体を通じて、制御不要で負荷変動に対して一定電圧を常に達成する「負荷非依存特性」を持つ新たなインバータトポロジーを提案した。負荷非依存動作条件を解析により導出し、回路の本質的特性を明らかにした。提案された共振型インバータは、負荷変動に対して常に高電力伝送効率を達成し、出力電圧・電流の一定を実現した。また、回路解析で体系化された理論に基づきソフトウェアを開発し、設計の自動化・短期化を進めた。さらに、負荷変動だけでなく、電力伝送距離(結合係数)の変動にも頑強なWPTシステムに関する研究も行った。負荷抵抗の変化だけでなく、距離が変動しても高周波スイッチングによる損失を有効に抑えられる回路トポロジーおよび共振構造を解析上で明らかにした。さらに、アウトプットレギュレータを用いることで一定電圧出力を達成した。試作機は6.78MHzで動作し、87.8%の電力伝送効率を達成し、提案回路の妥当性を検証した。MHzで動作することにより大幅な小型軽量化が実現され、将来的に高周波WPTシステムへの応用が期待される。
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Research Products
(14 results)