2022 Fiscal Year Annual Research Report
激変する北極海海洋微生物群集の動態解明: 気候変動への応答
Project/Area Number |
20J40007
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂手木 千晶 東京大学, 東京大学大気海洋研究所, 特別研究員(RPD) (60911675)
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Project Period (FY) |
2020-10-12 – 2024-03-31
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Keywords | 西部北極海 / 海洋微生物 / 細菌 / ウィルス / 群集組成 / 凝集体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、西部北極海において、海洋環境の顕著な変化が起こる、海氷融解前後、鉛直混合期、海氷消失期の微生物群集組成および多様性の時空間分布および時系列変化を明らかにすること、また細菌群集の組成や動態に対するウィルス溶菌圧の影響を検証することにより、気候変動の影響に対する微生物群集の応答を評価することを目的としている。 本年度は、昨年度に引き続き、北極航海で得られたデータの解析、および論文執筆に従事した。また、本研究で得られた、西部北極海における細菌リボ核酸の時空間分布を解析した結果、浮遊性および付着性細菌の群集組成に顕著な違いがあることが示唆された。北極海において、ウィルス感染は、細菌群集動態の支配要因の一つであるが、付着性細菌に感染するウィルスの溶菌圧を評価する方法は確立されていない。そこで本年度は、細菌群集、特に有機凝集体などに付着する付着性細菌群集の動態に対するウィルス溶菌圧の影響を評価するため、凝集体に付着するウィルスの生産速度を定量的に把握する方法の確立に取り組んだ。具体的には、モデル凝集体の生成および取扱い方法の習得や、凝集体に付着する細菌およびウィルスの分離方法についての検討、さらにはフローサイトメトリーや顕微鏡を用いて観察を行い、凝集体に付着するウィルスの生産速度の定量化を試しみた。また、凝集体上の付着性細菌群集に感染するウィルスの溶菌圧の影響を明らかにするための予備実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響などにより実施を計画していた培養実験は制約をうけたが、予備実験は行うことができた。またデータ解析や論文執筆などの面での研究は進展し、研究はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで準備を行ってきた、凝集体に付着する細菌群集の動態に対するウィルス溶菌圧の影響を評価するため、培養実験を行う。その結果を総合的に解析し、付着性細菌群集に対するウィルス感染の影響について、理解を深化させる。また、北極航海や実験で得られた結果を総合的に解析し、気候変動の影響に対する西部北極海の微生物群集の応答を評価することを試みる。
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Research Products
(3 results)