2021 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病を効果的に改善するための運動強度と分岐鎖アミノ酸摂取方法の解明
Project/Area Number |
21J00149
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹村 藍 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 糖尿病 / トレッドミル / ミトコンドリア / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、運動と分岐鎖アミノ酸の摂取を利用して糖尿病の症状を効果的に改善する方法を明らかにすることを目的としている。2021年度はまず、ストレプトゾトシンを使用した糖尿病モデルマウスの作製方法の確立を行った。また、糖尿病モデルマウスがトレッドミルを使用した走行運動を行うことで骨格筋にどのような変化が生じるのかを明らかにした。 生後8週齢の雄性ICRマウスにストレプトゾトシン (100mg/kg) を腹腔内投与することにより、血中インスリン濃度は低値を示し、血糖値や遊離脂肪酸は高値を示した。また、呼吸交換比は通常のマウスと比較して有意に低値を示した。これらのマウスに5週間にわたり、週5日間、1日60分のトレッドミル走行 (20m/min) をさせたところ、運動の有無に関わらず糖尿病モデルマウスでは、通常マウスと比較して血糖値、食餌量、飲水量はともに高値を示した。通常マウスと比較して、糖尿病モデルマウスの骨格筋重量や筋グリコーゲン濃度は低値を示したが、走運動を行った糖尿病モデルマウスでは通常マウスとの違いは認められなかった。また、走運動を行った糖尿病モデルマウスの足底筋では、糖取り込みに関わるグルコース輸送体やミトコンドリア電子伝達系複合体が、糖尿病モデルマウスよりも高い値を示した。これらのことから、トレッドミルを使用した走運動によって、糖尿病モデルマウスにおける骨格筋ミトコンドリアの機能や糖取り込み能力を改善したものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、本研究で使用する実験動物の確立、及び、走運動が糖尿病動物の骨格筋ミトコンドリアにどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることができた。また、今後の研究でも使用する分析手法 (ウェスタンブロット法や比色法) についても、手技を習得することができた。研究は問題なく順調に進めることが出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には、2型糖尿病モデル動物を作製し、血中分岐鎖アミノ酸濃度における変化を明らかにする。2型糖尿病の作製には、高脂肪食と低用量のストレプトゾトシンを使用する。また、血中分岐鎖アミノ酸の利用を高める方法についての検討を行い、分岐鎖アミノ酸の利用が高まった状態で糖尿病の症状がどのように変化するのかを明らかにする。2023年度には運動と分岐鎖アミノ酸の利用を組み合わせることで、糖尿病の症状に生じる変化を明らかにする。
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