2022 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強誘導ラマン散乱による小胞輸送の高速分光イメージング
Project/Area Number |
21J00452
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水口 高翔 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | ラマンイメージング / ナノ粒子 / 誘導ラマン散乱 / 超解像 / 広視野イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は(1)金属ナノ粒子を用いた反射型の誘導ラマン散乱(Stimulated Raman scattering, SRS)計測、(2)広視野イメージングに向けた低倍率・高NA対物レンズの導入、(3)超解像SRS顕微鏡の性能評価の3課題について研究を進めた。(1)では反射SRS計測によって金属ナノ粒子から発せられるバックグラウンド信号が大幅に改善されたが、依然として微弱な信号の計測が困難であることが明らかになった。そのため当初の計画を超解像顕微鏡法により微小構造をイメージングする方針に変更した。(2)では低倍率かつ高NAの対物レンズを導入することで高解像度を維持しつつ広視野を観察できる顕微鏡を構築した。これにより一度に多量の細胞を観察することができるようになり、SRSイメージングのスループット性能が向上した。(3)では光スイッチング分子を含んだ微細構造を作製する手順を確立し、超解像SRS顕微鏡の分解能を計測した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は金属ナノ粒子を用いることで小分子薬剤のSRSイメージングにおける空間分解能を向上させる予定だったが、依然として金属ナノ粒子から発せられるバックグラウンド信号が課題がとなっている。一方で超解像SRSイメージングによる空間分解能の向上が明らかになり、当初の目標であった細胞内の小胞輸送を高い空間分解能で観察できると見込まれた。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞の複数箇所における小胞輸送の超解像SRSイメージングにより、当初の目標であった小胞輸送を介した細胞の複雑な情報伝達機構の解明を行う。
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