2023 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強誘導ラマン散乱による小胞輸送の高速分光イメージング
Project/Area Number |
22KJ0516
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水口 高翔 東京大学, 光量子イメージング分野, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ラマンイメージング / 誘導ラマン散乱 / 超解像イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は(1)超解像誘導ラマン散乱(SRS)イメージングシステムの改良、(2)超解像SRSイメージングによる細胞内の小胞輸送観察、(3)ステージスキャンによる大規模イメージングシステムの構築の3課題について研究を進めた。(1)では超解像SRSイメージングの性能を向上させるためにレーザ照射条件など最適化を行い、測定用ソフトウェアの改良を行った。超解像SRS専用の光スイッチング分子に継続的な光照射をすると退色が引き起こされてイメージング性能が低下してしまう。そのためレーザ照射パワーの最適な条件を探索し、またレーザ照射のタイミングを制御する回路及びソフトウェアを作成することで、超解像SRSイメージング性能を改善することに成功した。(2)では超解像SRSイメージングにより細胞内の極微小な脂肪滴の動態を観察し、超解像SRSイメージングの生体イメージング応用に向けた研究を行った。本手法により超解像専用の光スイッチング分子を標的分子に修飾することで細胞内の小胞輸送を高い空間分解能で観察することが可能になった。(3)ではステージスキャン用のプログラムを改良し、数百枚の画像取得を自動化することに成功した。従来のソフトウェアでは80μm四方の視野を手動で移動する必要があり、一度に多くの細胞を観察することが困難であった。新たなステージスキャン用プログラムの実装により、80μm四方の視野を自動で走査することが可能になり、SRSイメージングのスループット性能が大幅に向上した。
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