2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ0519
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 雅弥 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 昆虫免疫 / RNA-seq / 線虫 / 血球 |
Outline of Annual Research Achievements |
チョウ目のアワヨトウ終齢幼虫に線虫(C. elegans)を注入し、RNA-seqを用いて、血球での遺伝子発現変動解析を行った。PCA解析により、バッファーやビーズを注入した昆虫と比較し、線虫の注入で遺伝子の発現が大きく変動することがわかった。線虫に対する昆虫の主要な免疫として、包囲化作用があげられる。線虫の包囲化前に、発現変動した遺伝子数は329で、その中には異物認識やToll-pathwayに関わる遺伝子が含まれていた。ビーズの注入においてもToll-pathwayの遺伝子の変動は見られたが、いくつかの遺伝子は線虫の注入によってのみ発現上昇が見られた。また、包囲化に寄与することが報告されている異物認識受容体の1つであるC-type lectinにおいても、線虫の注入によってのみ発現上昇するものが見られた。このことからも、線虫特異的に変動する遺伝子群の存在が示唆された。さらに、包囲化前、包囲化中、包囲化後での一連の遺伝子発現変動を知るため、タイムコース解析を行なった。線虫特異的に変動した遺伝子を見ると、包囲化前に発現し始め、包囲化中にピークとなり、包囲化後に、発現が低下した。この中には、Toll-pathwayの下流の遺伝子が含まれていた。一方で、線虫の注入によって発現が低下する遺伝子も存在し、これについては考察が必要と考える。この成果は、応用動物昆虫学会で発表し、論文についても投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)