2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ0527
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 貴俊 東京大学, 大気海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ウナギ属魚類 / 産卵回遊 / 日周鉛直移動 / 地磁気 / バイオロギング / 粒子追跡シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1.大西洋におけるウナギ属魚類の日周鉛直移動の特性:アメリカウナギとヨーロッパウナギの行動追跡データの提供を受け、遊泳行動の解析を行った。両種においても、日周鉛直移動が確認された。しかし、光環境で規定される太平洋種とは異なり、月高度や月齢と遊泳水深との間に有意な相関は認められなかった。一方で、昼夜ともに、遊泳する海域の水温構造に従って、一定の水温を経験するように遊泳水深が変動していた。この特徴は、アメリカウナギとヨーロッパウナギで共通していた。このことから、大西洋と太平洋におけるウナギ属魚類では、日周鉛直移動を規定する機構が異なるのかもしれない。 2.大西洋におけるウナギ属魚類の定位機構:ヨーロッパウナギの定位機構を検討する数値実験を行った。その結果、本種の成育場から投入した仮想粒子は地磁気のみによる定位では、推定産卵場には到達しないことが分かった。この結果は、前年度までに実施した西部北太平洋におけるニホンウナギとオオウナギの粒子追跡シミュレーションとは異なるものであった。ウナギ属魚類は、種もしくは海域によって定位方法が異なることが示唆された。しかし、本種が地磁気に従って定位した場合の数値実験の結果は、欧州沿岸からアゾレス諸島近海へ至る過程を追跡したバイオロギン研究の報告と良く一致していた。このことから、本種における産卵回遊の前半部分(沿岸域からアゾレスへ至る過程)では地磁気を用いて定位し、その後は異なる環境情報に基づく定位へ切り替わるのものと推察された。 3.インド洋におけるウナギ属魚類の行動の追跡:モザンビークウナギをマダガスカル東岸から放流し、本種の産卵回遊行動の追跡を試みた。計8基のデータロガーを放流し、ウナギの遊泳行動を追跡中である。データが得られるのは、2024年7月になる見込みであるが、データが得られ次第、本種の日周鉛直移動の特徴と関連する環境要因を明らかにする。
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[Journal Article] Migration Behavior of Anguilla celebesensis Silver Eels within their Tomini Bay Spawning Area2023
Author(s)
Manabe R, Higuchi T, Watanabe S, Tantu FY, Sugeha HY, Kaneko H, Miller MJ, Hagihara S, Yoshinaga T, Syahailatua A, Wouthuyzen S, Triyanto, Masengi KWA, Sato K, Aoyama J, Tsukamoto K
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Journal Title
Zoological Studies
Volume: 62(46)
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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