2023 Fiscal Year Annual Research Report
多変数多項式問題に基づく耐量子暗号の構成と安全性評価
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22KJ0554
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古江 弘樹 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 多変数多項式暗号 / 耐量子計算機暗号 / ディジタル署名 / 多変数多項式問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、多変数多項式問題に基づく耐量子暗号に関して以下の研究を行った。 一件目は、多変数多項式の出力の列挙アルゴリズムについての研究を、東京大学の高木剛氏と共に行った。本研究成果は、国際会議PQCrypto 2023にて発表された。多変数多項式の出力の列挙は、多変数多項式暗号に対する様々な攻撃手法で用いられており、効率的な列挙アルゴリズムの提案は、多くの多変数多項式暗号の安全性に関わる重要な課題である。この問題に対する自然な解法としては、任意の入力をそれぞれ多項式に代入する手法が考えられるが、これに対して要素数が2の有限体上で実行可能な効率的なアルゴリズムが2010年に提案されていた。本研究では、一般の有限体上で実行可能かつ、既存手法と同等の効率性を達成するアルゴリズムを提案している。 二件目は、UOV署名方式の変種に対するMinRank攻撃についての研究を、九州大学の池松泰彦氏と共に行った。本研究成果は、国際会議IWSEC 2023にて発表された。UOV署名方式は、多変数多項式問題に基づいて構成された署名方式であり、その高い安全性から耐量子暗号の有力な候補のひとつであると考えられている。また、UOV署名方式から公開鍵長を削減するような変種が数多く提案されている。本研究では、MAYO、QR-UOVというそれぞれUOV署名方式を基に構成された署名方式に対して、Rectangular MinRank攻撃と呼ばれるMinRank攻撃の一種が適用可能であることを新たに明らかにした。
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