2023 Fiscal Year Annual Research Report
新たなゲージ対称性に基づいた第五の力を持つ素粒子模型の探究
Project/Area Number |
22KJ0556
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 悠平 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 超対称性 / 加速器実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度に引き続き, 隠れたセクターに存在する荷電粒子の暗黒物質への崩壊率の精密化の研究に取り組んだ. 隠れたセクター中の荷電粒子と暗黒物質の間の質量差が比較的大きく1 GeV程度に達する系も, 加速器実験において重要な探索対象である. その典型的な例として超対称性のある理論に現れるHiggsinoが挙げられる. そこで今年度は, 昨年度行ったWinoの崩壊率に関する研究をHiggsinoの場合に拡張することを試みた. 質量差が1 GeV程度に達する場合には, single pion modeの解析だけでは不十分で, multi-meson modeについても推定を与える必要がある. 特に質量差が1 GeV付近のmulti-meson modeは, カイラル摂動論が使えるほど低エネルギーではないが, 演算子的展開等の摂動論的QCDを適用できるほど高エネルギーでもなく, そもそもどのように推定すれば良いかが明らかでない.加えて, 全てのweak decay modeについて, 輻射補正を計算しない限り崩壊率は10%以上の誤差を持っている. そこで, 1. Multi-meson modeにおけるstrong dynamics効果の推定, 2. Leptonic modeに対する1次の輻射補正の計算, 3. Higgsinoのsingle pion modeの計算, 4. Higgsino崩壊を導く4点Fermi相互作用に対する電弱相互作用由来の短距離補正の計算, について研究を行った. その結果, 質量差が約1 GeV以下のHiggsinoに対し, Higgsinoの全崩壊率を1%以下の精度で予言することに成功した. 以上の結果はJHEP03(2024)012として出版済である.
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Research Products
(4 results)