2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Riemannian constrained optimization theory and applications
Project/Area Number |
21J20493
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小原 光暁 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
|
Keywords | 数理最適化 / 非線形最適化 / リーマン多様体 / システム同定 |
Outline of Annual Research Achievements |
リーマン多様体上の非線形最適化問題に対して,逐次2次最適化法というアルゴリズムを提案し,その理論的収束保証としてKarush-Kuhn-Tucker点への大域的収束性および局所的2次収束性を証明した.さらに,数値実験を通じて提案手法の高精度かつ安定な求解を確認した.本研究の成果をまとめた論文は,数理最適化理論分野で最も権威のある論文誌の1つであるSIAM Journal on Optimization に受理された. また,新たに弾性逐次2次最適化法を提案し,制御分野に現れる線形システム同定問題に応用した.弾性逐次2次最適化法は,前述の逐次2次最適化法の部分問題の実行可能性に関して改良を施したアルゴリズムである.本研究では改良の結果,逐次2次最適化法よりも弱い仮定のもと,弾性逐次2次最適化法が逐次2次最適化法と同等の大域的収束性を持つことを証明した.線形システム同定は入出力の観測値に基づいてシステムを最もよく記述するパラメータを推定する問題であり,制御器を設計するのに不可欠な工程である点で重要である.本研究では,実用上よく現れるシステムの安定性およびシステムに関する既知の情報に注目し,これら2つを満たしながら同定をする手法を提案した.具体的には,システムの事前情報を制約条件として扱い,さらに安定なシステムの集合はあるリーマン多様体として表現できるという事実にもとづいて前述のリーマン多様体上の非線形最適化問題として同定の定式化をおこなった.数値実験を通じて,申請者が提案した定式化と既存のユークリッド空間上の定式化,および,弾性逐次2次最適化法と逐次2次最適化法をそれぞれ比較した.その結果,提案した定式化と弾性逐次2次最適化法を利用することで優れた同定結果を得られた.研究成果を論文としてまとめ,現在は制御分野の国際論文誌に投稿中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者が既に提案したリーマン多様体上の非線形最適化問題に対する逐次2次最適化法を当初の予定通り改良し,更に理論保証が強いアルゴリズムを提案することができた.また,提案したアルゴリズムを予定よりも早く制御分野へ応用し,有効なシステム同定手法を提案することが出来た.
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きリーマン多様体上の非線形最適化問題に対する求解アルゴリズムの開発に取り組む予定である.加えて今年度取り組んだ制御分野での研究経験をもとに,応用分野においてさらに発展的な問題設定に取り組み,有効な定式化およびアルゴリズムを提案することを目指す.
|
Research Products
(5 results)