2021 Fiscal Year Annual Research Report
ATPチャネルPannexinファミリーの構造機能解析
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21J20692
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 達基 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | アポトーシス / ギャップジャンクション / イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト由来Pannexin2、Pannexin3遺伝子をクローニングし、バキュロウイルスを用いて哺乳細胞にて発現チェックを行った。GFPを融合させたタンパク質を哺乳細胞に発現させ、細胞破砕液を用いて蛍光ゲルろ過クロマトグラフィーを行ったところ、ヒト由来Pannexin3が構造解析に適した良好なピークを与えた。そこでPannexin3に関して発現・精製検討を行い、適した条件で大スケールでの発現・精製を行ったのち、界面活性剤GDN中のPannexin3を用いてクライオ電子顕微鏡用の撮影試料を作製した。加速電圧200kVのクライオ電子顕微鏡Talos Arkticaを用い撮影したのち解析を行ったところ、良好な二次元平均像を得ることに成功した。二次元平均像より、Pannexin3がPannexin1同様7量体を形成することが明らかとなった。Pannexin3は骨細胞に発現して軟骨細胞、骨芽細胞の分化に関わる。Pannexin3は原 形質膜でヘミチャネルを形成しATPを放出する他、小胞体膜にてカルシウムイオンを放出、ギャップチャネルを形成し Ca2+波を細胞間で伝播することが報告されている。また Px3 の欠失は小人症と骨密度の低下を引き起こす。このように Pannexin3は異なる場所で異なる役割を果たす稀有かつ重要なチャネルであり、構造に基づいた分子メカニズムの理解が求められている。今年度の成果は十分に高分解能での構造決定が期待できるものであり、このメカニズムの理解への着実な、かつ大きな一歩である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Pannexin1に関して、構造を報告する論文が多く出たため。
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Strategy for Future Research Activity |
Pannexin3及びその変異体に関しての構造解析、電気生理解析を行っていく。
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