2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21J20720
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
趙 元晟 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 分子ガラス / 高圧 / X線散乱 / 分子シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
6月、SPring-8、BL37XUでパリ・エジンバラセルを用いて、室温、高圧力下のグリセロール、トルエンの構造因子を測定しました。プレス機で加圧し、2θ = 1 - 62°の範囲(0.1°間隔)で測定しました、測定時間はそれぞれ2 - 3.5 hでした。セル内の圧力は中で置かれている金とMgOを測定して見積しました(グリセロール0 - 3.6 GPa、トルエン0 - 0.9 GPa)。 グリセロールのS(Q)は圧力増加に伴い、第一ピークが減少し、最後にほぼなくなります。G(r)から、分子が変形し空間を埋め尽くした事を確認しましたが、オリエンテーションのオーダーかほぼ見られませんでした。一方、トルエンのS(Q)は第一ピークのショルダーが増加し、分子間のT-shapeの相関が増加していることを示しています。 12月は同じBL37XUで低温、高圧力下のトルエンの構造因子を測定しました。前回使ったセルに、我々が新たに開発した低温ステージを取りつけた。室温でプレス機で加圧し、温度を下げて測定しました。0.7 GPa(得られたS(Q)から見ると、実際の圧力は低い可能性あり)、300 - 250 Kで測定し、条件は前回と同じでした。これは初めての低温高圧実験である。高圧力下での構造の温度依存性は1 atm.と同じ事を示しました。 実験データを使って3Dモデルを作る方法も研究しました。現在広く使われているRMCやEPSRはartifactが入るため、注意が必要です。今回は強化学習の方法を使って、実験データなどの知って情報を約束条件にして、エントロピーを最大化するように相互作用ポテンシャルのパラメーターを動かします。この方法の利点は色々なポテンシャルモデルに対応し、任意強度のL2正規化でユニークなソリューションに収束する事です。従来の方法のambiguityや発散などの欠点を克服しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
- グリセロールとトルエン両方の室温高圧の質の良いX線散乱データが取れましたし、構造解析も行きています。 - 初めてとなる低温高圧実験は、圧力、温度制御は成功しました。良質のデータを取れませんでしたが、これは集光の問題で、次の実験で改善して、良いデータを取れると思います。 - 実験データを使って、原子モデルを作る方法として、従来の方法を改善し、モデルシステムでテストに成功しました。
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Strategy for Future Research Activity |
- 実験上は、低温高圧実験をする予定です。前回実験方法を改善して、良質データを取る事を目指します。グリセロールについては、X線は水素を見られないため、中性子回折実験で、水素結合を調べます。 - データ解析は、新たに開発した方法で実験データを解析し、詳しく高圧構造を解明する予定です。
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Research Products
(2 results)